残念ながら昨年(2023年)の暮れに亡くなってしまったエスラ・モホーク

その彼女の2000年にライノハンドメイドから出た2ndと3rdの2in1盤。

元々は2ndのオリジナル・イシューはリプリーズ、3rdの方はアサイラムから出たやつだったが、永らく入手し難らかったものをライノがやっと出してくれたってやつ。

2ndの「Primordial Lovers」の方は、昔から名盤の誉れ高いもので、ローリング・ストーン誌の名盤なんちゃらにも挙がってたやつで女性SSW系の名盤等では度々名が挙がっていた。
「Primordial Lovers」のオリジナル・ジャケはモノクロだが、このリイシューではカラーになっている。タイトル最後の"MM"ってのが何なのかはちょっとわからない。オリジナルには無かったと思うんだが。。。

 

彼女、元々はザッパが発掘したってことでも知られるところで、最初はサンディ・ハーヴィッツの名で1stをリリースしている。プロデュースの方は当初ザッパのプロデュースでレコーディングが始まったんだが、ザッパと仲違いしちゃって製作途中でザッパが降りてしまい暗礁に乗り上げかけていたんだが、同じマザ-ズのイアン・アンダーウッドが後を引き継いで完成させたもの。大体ザッパも十代の女の子相手に大人気ないというか・・・(汗)。アンクル・ミートなんてあだ名を多感な少女につけるから怒っちゃたのが事の始まりじゃないんかねぇ~・・・想像だけど。。。(笑) 実際は、めっさチャーミングな人なんだが。

 

そういうゴタゴタの後に、仕切り直しってことでリプリーズから出たのが、「Primordial Lovers」。
隙間を生かしたいかにもって感じの女性SSW系アルバムだが、よく彼女のヴォーカルを形容するのに使われるのが、ローラ・二ーロとキャロル・キングの中間。当たらずとも遠からずってとこで彼女らほど垢抜けてはいない。も少しイモ姉チャンっぽいところも。(笑)
ただ、今風にいうならば・・・時にツンデレ系な佇まいを感じさせるヴォーカルってのはローラやキャロキンにはない味。
1曲目の"I Am The Breeze"なんて、”あたしはアンクル・ミートなんて可愛くない名前じゃないっ!”とザッパへの当てこすりか?って感じも。
しかし、続く2曲目の"Spiral"では、何となくグルーヴのかけらもないザッパが演りそうな、重たいリズムに乗ってツンデレなヴォーカルを聴かす辺りは、フツーの女性SSWアルバムではあまり聴けないもんじゃないかと。
サイケとはまでかないけど微妙に近いものもあったりと、煮え切らないと言ってしまえばそれまでだが、この辺の寸止め感も妙にクセになる。
"I Have Been Here Before"などはC,S,N&Yのデジャ・ヴに影響を与えてもいるそうなんだけど・・・う~ん、よくわからん。。。
少しクセのあるヴォーカルで好みはありそうだが、何度か聴いて馴れてくると良い感じになってくる。
個人的に一番気に入ってる曲は、どこかケイト・ブッシュ的というかピアノがピンク・フロイドの”虚空のスキャット”とイメージが重なる"Looking Forward To The Dawn"。

後のソウル系へシフトしたアサイラム盤の3rdの方も書こうかとも思ったんだが、

そちらはまた別な機会にでも。。。