このアルバムが録音された1970年というとマイルスがアイアート・モレイラを
自身のバンドに引き入れた年。
アイアート・モレイラといえば伝説的名グループ
クアルテート・ノーヴォのメンバーだったが短命で終わってしまう。その後渡米したアイアートがSkyeレーベルに吹き込んだのがこのアルバム。
クアルテート・ノーヴォの旧友のエルメート・パスコアール、それにパスコアールにひけをとらない天才シヴーカ、米ジャズ界からはロン・カーター、セルメンでお馴染みのドン・ウン・ロマン、それからアイアートの嫁フローラ・プリムという面子。
一般的にはアイアートはマイルスのバンドでインターナショナルに知られるようになるが(元々はキャノンボール・アダレイとやっていたアイアートをマイルスが引っこ抜いたんだが)、個人的にはサンタナで彼を知った。もちろんこの曲で・・
サンタナはマイルスから吸収したというのが本筋だろうが、
サンタナ経由で知ったものがブラジル音楽関係だけでも沢山ある。
トム・ジョビンの"StoneFlower"などはその代表的なもの。
個人的にはブラジル音楽の扉を開いてくれたのはサンタナだった。
ブラジルという当時の国の事情で国外へ脱出するブラジル・ミュージシャンが
後を絶たなかったことで却ってそれがブラジル音楽を広めたといえないこともない。
コルトレーンも亡くなり行き詰まりをみせていたジャズにマイルスが活路を見出したのが非ジャズ非米国音楽だったいうわけだろう。
マイルスを媒体としてこういうシーンからウェザー・リポートやリターン・トゥ・フォーエバーが出てきたということ。
Airto / Natural Feelings (Skye 1970)
Side A
1. Alue
2. Xibaba (She-ba-ba)
3. Terror
4. Bebe
Side B
5. Andei
6. Mixing
7. The Tunnel
8. Frevo
9. Liamba
Recorded at A&R Recording Studios, New York.