ヴァルブ・トロンボーン奏者というとスライドに較べると、ぱっと想い浮かぶ奏者の数もぐっと少なくなり、古いとこではファン・ティゾール、モダン期に入ってもビル・ラッソやブルックマイヤー位しか咄嗟には出てこない。

 

スライドとヴァルブ・トロンボーンの競演というと幾つかあったような気もするが、このブルックマイヤーのリーダー・アルバム「Jazz Is a Kick」もそんな中の一枚。

一緒にフロントを勤める相手はカーティス・フラー。ブルックマイヤーとフラーの競演て他にあったっけ?て気もする位そうは競演歴はなかったと思う。全くタイプの違うトロンボーン奏者2人だが、意外にマッチングは良い。
このアルバムは2フォーマットのセッションが収録されてるやつで、リズム隊がハンク・ジョーンズ、エド・ジョーンズ、チャーリー・パーシップにサド・ジョーンズとジョー・ニューマンのラッパが入るものと、もうひとつはブルックマイヤーとフラーの2管にウィントン・ケリー、ポール・チェンバース、ポール・モチアンのリズム隊が付く2種。サド・ジョーンズ、ジョー・ニューマンが入るセッションは中間派的、一方ケリー、チェンバース、モチアンのリズム隊がつくと、ぐっとモダン(ハード・バップ)になる。個人的には当時絶頂期だったウィントン・ケリーのご機嫌なピアノが聴けるセッションの方が好みだが。。。

フラーはモダン派、ブルックマイヤーの方はどちらかというと中間派といったイメージだが、この二つのセッションでは違和感なく融合しているようにも感じる。

 

 

Bob Brookmeyer / Jazz Is a Kick (Emarcy)
1. Air Conditioned
2. Exactly Like You
3. This Can't Be Love
4. Green Stamps

5. The Things I Love
6. Only When You're Near
7. You're My Everything
8. Cooperation