ニューオリンズ・ピアノ、大御所中の大御所、タッツ・ワシントン。
ニューオリンズ・ピアノと云えば大体プロフェッサー・ロング・ヘアーかジェイムズ・ブッカー辺りの名が挙がるのが常套だが、そのフェスやブッカーの師匠格にあたるのがこのタッツ・ワシントン。
その彼が最晩年の76歳にして’83年に出した初めての自己名義のレコード。
彼自身のヴォーカル入り1曲を除いて、全ピアノソロ・アルバム。

ヴィンテージではなく比較的近年の録音ということもあり、音質はすこぶるよく、

音の泡立ちの美しさも極まりない。
ニューオリンズ独特の突っかかるように転がるピアノからは、古き良き時代のなんとも云えない香りが漂い堪らない気分になる。
特にマニアックな選曲ということもなくジャズ、ブルーズ、バラード、ポピュラーからのお馴染みの曲が並ぶが、どれもおいそれと出せる味わいでは到底ない。
彼のピアノに較べればドクター・ジョンのピアノなどはさしづめ小僧が弾いているくらいなもんなのかも知れない。(笑)

残念ながら、この吹き込みの翌年に天に召されたタッツ・ワシントン。
ピアノをこよなく愛しピアノを弾くことが楽しくてしょうがないといったものがいやというほど伝わってくる極上のピアノ・アルバム。

聴いてるこちらも本当に幸せな気分にしてくれる。

 


New Olreans Piano Professor (1983)
01. When the Saints Go Marching In
02. Tin Roof Blues
03. Arkansas Blues
04. Do You Know What It Means to Miss New Orleans
05. Honky Tonk
06. Wolverine Blues
07. On the Sunny Side of the Street
08. Jambalaya
09. Misty
10. Mr. Freddie Blues
11. Stardust
12. Frankie and Johnny
13. Hattie Rogers Blues
14. Georgia on My Mind
15. Tee Nah Nah
16. White Christmas
17. Forty-Four Blues
18. Blue Moon
19. Yancey Special
20. Tipitina
21. Cherry Pink & Apple Blossom
22. Sata Fe Blues
23. Papa Yellow Blues