キャラバンサライ以後、一部であまり評判のよろしくない時期が続くことになるが、 個人的にはこの頃もずっと好きでいたサンタナ。 「不死蝶」辺りまでは特に思入れがある。 「ウェルカム」はキャラバンサライの次作にあたる。 前作がキャリアのピークともいえるので些か割りを食った感もあるが、 これはこれで、落ち着いた好いアルバムだと思っている。 リターン・トゥ・フォーエバーのパクリとの陰口も叩かれるが、 悪いがあちらにサンタナのノリはない。 このアルバムは極端にサンタナのギターが出てこないのも人気のない原因か。 しかし、サンタナは、カルロスサンタナとそのバックバンドではない。 個人的にもグループとして聴いてきたので過剰にサンタナのギターばかりを 取り沙汰する意見には違和感を憶える。哀愁のヨーロッパで溜飲を下げたなどという輩は一体それまでサンタナの何を聴いてたんだろうと首を傾げたくなる。 アルバム冒頭を飾るアリスコルトレーンのアレンジによる"Going Home"は、 私の外タレのライブデビューでもあった、サンタナの初来日公演での1曲目。 あのライブにはかなりのカルチャーショックを受けたものだ。 何十年経とうが忘れようがない。 そして、アルバムラストはジョンコルトレーンの美しい"Welcome"で幕となる。 このアルバムに漂う浄化された空気感とでも言うか、それを味わいたくて、 今もこのレコードを手に取る。ジャケは本来エンボスの無色だが、 それではビートルズのホワイトアルバムになってしまうので・・・。(笑)