バリトン奏者中でも4番、5番目にしか名前が出てこなそうなセシル・ペイン。

その彼のシグナルへのリーダー・セッション。
サヴォイの再発盤ではジャケがカラフルなものへと変更されていましたけど、個人的にはモノトーンのこのシグナル盤の方が趣味。
A面がペインのワンホーンによるカルテット、B面がケニー・ドーハムとの2管によるクインテットという2編成。その他のサイドメンは、ペインとは旧知の”ブルックリン・ブラザーズ”のデューク・ジョーダン、あとはトミー・ポッター、アート・テイラーといったお馴染みの面々。
ペインのバリトンは力強さを強調したものではなく、どことなく緩くホンワカしたムードを漂わすところが疲れなくて良い。特にワンホーンのA面にはその感が強い。
一方、ドーハムとの2管によるクインテットでは華やかとまではいかないが、若干色のついた明るさも感じる。気張らないフロント2人のコンビネーションには和む。
デューク・ジョーダンのピアノはこのセッションを通して上品且つツボ押さえた、いつものジョーダン。


Cecil Payne Quartet - How Deep is the Ocean
Cecil Payne (bs.), Duke Jordan (p), Tommy Potter (b), Art Taylor (ds)
recorded May 19, 1956 NYC


Cecil Payne Quintet - Man of Moods
Kenny Dorham (tp), Cecil Payne (bs), Duke Jordan (p)
Tommy Potter (b), Art Taylor (ds)
recorded May 22, 1956, NYC