フィル・マンザネラですが、言うまでもなくロキシー・ミュージックのオリジナル・ギタリスト。しかしこの人、ロキシーへの参加は元々ギタリストとして参加したわけではなくて、イーノの助手として入ったんだそうで。まぁ、テクニカルなギタリストという感じではなかったですけど、彼のギター・センスが好きでしたね。
テクはあってもセンスのないギタリストって、結構居ますよね・・・誰とは言いませんけど(笑)。
プログレ的なことをやってもウエット感が希薄というか、ラテン気質がそうさせないというか。。。
このファースト・ソロも、ロキシーのプラスティック感覚を良い意味で引き継いでいます。参加面子もロキシー関係を中心に中々豪華です。
ロキシーの好きな部分の多くを担ってたのは、マンザネラ、アンディ・マッケイ、ポール・トンプソン、そして・・・イーノだったりするんですよね、私の場合。
そんなもんですから、上手いスタジオ・ミュージシャンを使い始めた頃からのロキシーには違和感を感じてしまいました。このソロはロキシーが最初の休止宣言をした頃にリリースされて「サイレン」の後だったかな。。。
ブライアン・フェリーの居ないロキシー。と言えないこともないですが、マンザネラのソロですからロキシーよりは当然好きなことやってるようですし、アルバム冒頭の"Frontera"とラストの"Carhumba"でのヨーロッパのラテン人(マンザネラはコロンビアと英国のハーフですが)といったところ(と言うかある部分、辺境系?)での、ある種のユルさみたなもんはロキシーでは中々味わえないもんじゃないかと。
ロバート・フリップの生真面目さは時に疲れますけど、マンザネラのいい加減さは性に合ってるというか(笑)
関係ないですけど、ロバート・フリップがローチェスに入れあげてたのは、ある意味バランス取ってたんでしょうかね?。
このユルさと緊張感のある"Miss Shapiro"辺りとのコントラストが良いんですよ。この曲や"Big Day"などでのドライなイーノのヴォーカルがまた好きなところ。イーノのヴォーカルって好きでしたね、初期の彼のソロもフェイバリットですし。後年歌わなくなってしまったんで、ずっと残念に思ったんですけどね。
ロキシーが後に出てくるNWの連中に与えた影響云々は今更のことですが、プレNW期というかレアNW期というか・・・この微妙なところが実は今でも一番ツボなところだったりします。このアルバムのライブ版ともいえる801と共々好きなレコード。