1980年3月22、23日、ラフォーレ原宿で行われたバート・ヤンシュとマーティン・ジェンキンスの来日公演の実況盤。日本のみのリリースということで、バートが日本のファンの為に贈った置き土産。
マーティン・ジェンキンスは「Avocet」などでも共演歴のある元ダンドゥ・シャフトのメンバー。このライヴではフィドルをメインにマンドセロやエレキ・ギターでバートをサポート。というか、共演ですね。
彼のフィドルが耳障りという方も中にはいらっしゃるようですが、個人的には彼のフィドルはバートとの相性は中々いいんじゃないかと思うんですけどね。
(彼のフィドルで時折バートのギターが聴き取り難いという点は、若干ないこともないですけど)
ライヴの序盤はバートのヴォーカルが少し固いかなと思うところもありますが、(まだ、よくアルコールが行き渡ってなかったんでしょうか・・・笑)
ライヴが進むにつれ、段々と熟れてきて、それとともに聴いてるこちら側もどんどん惹き付けられていきます。
レコードではB面アタマとなる、先記のジェンキンスとのコラボ・アルバム「Avocet」のタイトル・トラック辺りからはその感がより増してきます。

10分越えの、けして短くはない曲ですが(だいぶ、Editされてはいますが)、スタジオ盤での美しさはこのライヴでも変わりなく、聴き惚れていると、あっという間に曲が終わってしまっているという感じ。
たった2人で演ってるのに何かが足りないという感じがしません。
(もし、あえて何かを付け加えるとすれば、ダニー・トンプソンのベース辺りでしょうか・・・)
一時期、レコード上では彼らしさの希薄なアメリカンナイズされたアルバムなどもありましたが、そういったアルバムからの楽曲もアレンジが違うこともあり、違和感を感じません。
このライブ盤では、本来の彼らしさを取り戻しつつあったかなという印象です。