私はディオン(セリーヌ・ディオンではない)が好きなんだが、
同じブロンクス出身のローラ・ニーロ
彼女もまたデビュー前の十代にブロンクスのストリート・コーナーでドゥーワップを唄っていた。日本の路上で歌う若い人たちには残念ながらシンパは持ち得ないが、
ブロンクスのストリート・コーナーで歌う彼女(見たこともないのに)には
なぜかイマジネーションを掻き立てられる。
このデビュー盤は、けしてドゥーワップやガールグループをストレートに
持ち込んだわけでもないが、そこかしこに下地としてそのころの彼女の生活が
滲み出ている。作風はインティメイトな曲でも何か室内で閉じこもった感じがしない。
私は室内でちまちまとオタクっぽく作られた音楽は基本的には苦手(好きなものもあるが)
ローラ・ニーロのパッショネイトはそうした室内に閉じこもったものから
出てくるようなものではないような気がする。
 
このファースト・アルバムはオリジナルのヴァーヴ盤から数奇な運命を辿ることに
なるんだが、個人的にはオリジナルの曲順及びモノ・ミックス、そしてジャケ。
このフォーマットが一番好き。
これは残念ながらオリジナル盤ではないが、このフォーマットで聴くのが
ささやかな私の幸せ。