ローラ存命中にリリースされたオリジナル・アルバムの中では
ラストとなってしまった1993年の「Walk the Dog & Light the Light」
彼女のラストというだけでも尋常じゃないものもありますが、
1曲目の女性コーラスを伴って歌いだす"Oh Yeah Maybe Baby"でのローラの歌声を聴いただけで
感極まりそうになります。
この曲のイントロで彼女が街角でストリート・シンフォニーを奏でていたルーツが
フラッシュバックするような感覚にもなります。
バックの洗練度された音も、生粋の都会人である彼女にとってナチュラル
というより、こういう洗練度の高さが更に彼女の魅力を際立たせているようにも。
ゲイリー・カッツというスティーリー・ダンの重要なブレーンのひとりでもある彼との共同プロデュース
というのもローラとともにスティーリー・ダンの大ファンである僕にとっては堪らんもんがあります。
ついでにいうと同じスティーリー・ダンの初期からのブレーン、エリオット・ランドールの参加も嬉しいところですし、
プリティ・パーディ、ブレッカー兄弟などといった豪華バック陣の参加が彩りを添えているところです。
ただ、そういうバックの豪華さにローラの歌が押されるもなく、楽曲の良さと彼女の変わらぬ歌声が
永年ファンで良かったと改めて感じさせてくれます。
60年代のエキセントリックさも彼女の魅力ですが、
けして音楽シーンのメインストリームに居たとは言い難かった70年代中期以降のカムバック後の彼女もまた、
心を摑んで離しませんでした。
彼女の死後の再評価といったものには個人的には疎いものがありますけど、
極々パーソナルな次元で彼女のファンで居続けるだろうなと、このラスト・アルバムを聴いているとまたそう思ってしまいます。
ラストの"I'm So Proud / Dedicated to the One I Love"で、
またストリート・コーナーへと還っていくローラが堪らなく好きです。