母は、今卵をひたすら割って、中の薄皮を剥ぎ、殻を甲羅干しにしている。
次女の中学校は15日、来週の火曜日から始まることになりました。今年に限り、新入生は14日。1日差をつけるようです。
元来、イタリアの小学校でも、中学校でも、それなりに多かれ少なかれ夏休みの宿題が出るわけです。
やってもやらなくても新学期に先生チェックさえもしてくれない系の宿題。
しかし、今年は夏休みに入った時、① 国語(イタリア語)は一冊本を読み要約する、②フランス語で一年を振り返って感想を書く、
という宿題しか出てませんでした。
「ああ、それだけなん?よかったやん、まあ、さっさとやっておいたらあといくらでも遊べるやん。」
と話していたのもつかの間、
出るわ出るわ、(お化けじゃありません)
オンライン授業の延長ということで、メールだかなんだかで、2週間後、1ヶ月後、2ヶ月後にあらゆる先生からの宿題が津波のように押し寄せました。
「ローマの京都人」母は、次女の学業については疎いので、宿題が出たよ、というのを子供の口から聞いて信じるのみ。
次女はどうも、ひとつひとつかなり遅れて私に報告してるようで、
「でもまあ、新学期までに終わっときや、そうしなあとでえらいことになるで。」
と母は言い、次女は次女なりに一応部屋に籠ってやるべきことはしていた様子。
しかし、一昨日、「ママ、モザイクしないとあかん」
確かに6月からモザイクモザイク言ってたなあと思い出し、
「もうこれ以上あとで宿題まだ終わってない、とか言わんといてや。モザイクがほんまに最後の最後の宿題やろうな??」
と念を押し、Vinavil(木工用ボンド)と絵の具を買いに行きました。
他の友達は、パスタを使ったり、米粒を使ったりしてモザイクをした人がいるそうですが、そんなこと許されません!!(日本人の常識)
何を使ってモザイクしようか、となった時に、昔叔母が高校2年生の時に作成した卵の殻のモザイクを思い出し、ラインで画像を送ってもらいました。
どう見ても素晴らしい出来のものです。
次女はこれを見て、卵の殻に決めました。
さて、何の絵にするか?
そこでお世話になったのが、
日本の美術の教科書。 綺麗な絵ばかり。
ページをめくりながら、次女が考えたのは、「富士山と桜の枝と、『富士山』という言葉。」
銭湯の絵そのものです。
「イタリアの先生は日本の文字とかが入っていると喜ぶかもしれんやん、だから点数ちょっと多めにくれるかもしれんやん。」
というのが次女の考えで、さすがその辺は世の中をよく見ているなと母は感心。
母は下書きにおいて漢字担当。
何が何でも「富士山」という言葉を入れたいと言われたけれど、不慣れな母はスペースに「富士」しか書けなかった。
さて、どこから始めるか、
「背景から徐々に目立たせたいものを最後にするんやで。」とアドバイスしても、次女は生まれながらの石頭でです。
漢字以外は手伝ってくれるな、とのたまいます。
次女の学業に一切タッチしていないのもそのせいで、
彼女は幼稚園の時から、髪の毛さえも絶対に自分でくくる。
何でも「Io faccio come mi pare!! 」(私の思うようにする!!)です。言うこと聞かん聞かん。
山をやって、桜の花をやって、それから背景考える、
と言って聞かないので、
「もう好きなようにおし!」とつきはねたけど、
優しい母は、せっせと卵の殻の甲羅干しを手伝ってあげるのでした。
桜どうも卵の殻ではできないもよう。
さてはて新学期までに終わるのやら?? あたしゃ知らん。