転院大病院 | 美しすぎる切り絵教室 横山夢(よこやまろまん)

転院大病院

「転院はあさってです」



急に転院できる日が決まり、



「母乳バッグお返ししますね」


と紙袋に2リットルくらいの量の母乳バッグ。更にぽいぽいと保冷剤を入れられた袋を持たされて帰宅。

産後2週間半でこんなに鞭打たんでも。

やはり母体は2の次3の次か・・・。


誰も母などいたわってはくれない!

もう期待してません。




やっぱり女に生まれてかわいそうだなあ・・・・。

さくらんぼの実る頃なんてほんのひととき。





転院はNICUからNICUへ。

「ドクターカー」

という救急車に乗ってゆくそうだ。


説明しよう~

ドクターカーとは、患者監視装置等の医療機械を搭載し、医師、看護師等が同乗し、搬送途上へ出動する救急車である。医師派遣用自動車、ラピッド・レスポンス・カーとも言う。



これの、新生児搬送用は

主に中・小規模の産婦人科病院からの要請で、新生児集中治療室(NICU)での処置が必要とされる場合(超早産等でハイリスクを伴う出産時)に、総合周産期母子医療センターに指定された病院から医師と看護師が同乗し、新生児に医療行為をしながら病院へ搬送する際に使用される。新生児搬送用ドクターカーは大型保育器などの医療機器を多数積載する為、医療機器を安定して動かす電源と車内スペースを多く確保する観点からトラックやマイクロバスをベースにした大型の車両が多い。最近では車両へ搭載する医療機器や発電機の性能向上・小型化などにより、商用ワンボックスカーベースでも運用が可能な車両が登場している。従来のトラック・マイクロバスベースタイプよりも車両の取り回しが良く、車両導入コストを安く抑えられることから今後商用ワンボックスカーベースの車両が徐々に増えていくものと思われる。

新生児搬送用ドクターカーは主に総合周産期母子医療センター指定病院が所有している。



赤十字からやってきたドクターカーに乗ってゆくことになった。

ドクターカーを運転してきた運転手は医療関係者ではなくタクシードライバーだった。

NICUは感染防止ガウンとマスク着用、入り口ではうがいと手の洗浄が必須なのに、その運転士は何もせずにしれーと入ってきて、書類をべろべろと舌でなめた指でめくっていた。


看護士さん、先生、注意した方が良いと思います・・。


どうしよう~誰も言わないんなら私言っちゃおっかなああ~?・・・とムラムラしているうちに子は搬送用保育器にはだかオムツで乗せられて、いよいよ移動となった。移動には担当の小児科医が付き添ってくれる。


移動中、サイレンを鳴らすか鳴らさないかどっちがいいか聞かれた。

鳴らした場合、ドクターカーは赤信号を無視して通行するが、私たち親の車は信号守って付いて来てくれと。



「緊急じゃないなら要らないです!」



なんか恥ずかしいし。鳴らしていく意味ないし。



普通に行きましょう。ということで子を乗せたドクターカーと私たちが乗った軽自動車は出産した病院を後にした。





転院。転院したら手術の日やどんな手術かが、先が決まってくるはず。

何台か先を行くドクターカーは何度か信号で私たちが停まるたびに遠くへ行って見えなくなった。