君は光僕は影
もしもこの世に質感がひとつしかなかったら?
人はWiiFitのヨガの先生みたいに質感が無く、水は反射せず・・。
いえいえそんなこと考える時間がナンセンス。アリスが「ナンセンス!」って叫びます。
この写真、円柱なのか細い紙を巻いたものなのか。目の前の事実をつぶさに捉えて映し出す写真ですらわかりやすくはないのです。
同じ質感を持つ床の上に同じ質感の輪を置きます。
これを絵に描くには?
この立体を描きだすには?見る人にこの立体がどういうものか説明するには?
影を描けばいい。
光が無ければ影も無く、色彩も質感も存在しない。
「ものを見るには3つの要素が必要です。まっくらで光が無ければりんごは見えず、目を閉じればりんごは見えず、りんごがなければりんごを見ることはできません。」
わからない? あたりまえだから? そう。あたりまえ。 光があれば影がある。ものが私達に見えているのは光のおかげであるのだけれど、それと全く同じくらい影のおかげでもあるのだよ?
あたりまえのことって他人から真面目に改まって言われても「あたりまえ」だと思うだけで何も気づかないものなんだ。歩くとき足を意識しない。呼吸してるとき肺を意識しない。生きているとき、生きていることを意識しない。
人間は何故歩けるか。そこに空間があるからで、何故空間を認識できるかというと光と影があるからです。でも、一枚の紙に空間は無いから、そこに嘘の空間を作らないといけない。光と影を描かなきゃいけない。
光は「白」だから描けないのです。つまり、影を描かなきゃ永遠に紙の上には空間や立体は生まれない。
デッサンとは影を描くこと。影を描かなきゃ終わらない。
でも、誰もが色彩や質感に意識を奪われがちで、「あたりまえのこと」など思い出さないのでしょう。
本質的な者達は、透明になるマントを着ている。

