それはお昼のカレーうどんから始まった。
あごだし、生姜、豚ヒレ、白葱、蕪、小松菜、三つ葉、バーモンド、山椒。
うどんは極太うどんという銘柄を選んでみたけれど、いつもの讃岐にすればよかった。
でも、ま、これは賄いと思うことにして、居もしない丁稚の頭を小突く。
そしてしばし休憩をとったら、今宵の銘柄を決める。
黒龍、いっちょらい。
とろりとした甘い水の味わいは、この緑のボトルに走るラベルの金色だ。
福井の言葉で「自分にとって一番いいもの」と言う意味の“いっちょらい”。
自分にとって一番いいものを用意することにして、居もしない丁稚に必要な食材を告げる。
土のめぐみから届いたキャベツをざくっと鉢盛りして、こだわりの雪塩とつうじ島の釜炊き塩、
母の作った味噌に蜂蜜とちりめん山椒を擦ったのを、キャベツに乗せたりつけたりして食すことにして、
太刀魚の一夜干しに白ネギをちりちりと焼くことにする。
それは私がではなく、居もしない丁稚の仕事だ。
いっちょらい~いっちょらいと、旋律もなく抑揚もない鼻歌を歌い、昨日読み終えた本の著者の命日を憶う。
そして、居もしない丁稚に叱咤する。
「今日はチョコレートとコーヒーは食べない、飲まないのよ。」
そんなことしかしない愚かな私は、自らに対しての勝手な贖罪でしかない。
私が絶対逢えないその人は、尊さと強さと馬鹿みたいなまるっこいやさしさをさらりと施して逝ってしまったと言う。
写真に残る髭面は、少しだけ強面なツラを構えてみたけれど、ってことだろうか。
幾度となく命を晒しても、落ち着き払った止まらない呼吸をしていたと言う。
その呼吸さえまるっこくて、銃撃戦のさなかでもそこだけ凪いでいたらしい。
事実を語る亡き語りべを語り、事実をつき続ける人がいる。
私は、その人を見続け見届ける約束をその人に誓う。
居もしない丁稚が焼き上げた太刀魚と葱を頬張りながら、それが貴方のいっちょらいだったのですねと思っていいですか?と問う。
神よ、アフリカに祝福を。
あごだし、生姜、豚ヒレ、白葱、蕪、小松菜、三つ葉、バーモンド、山椒。
うどんは極太うどんという銘柄を選んでみたけれど、いつもの讃岐にすればよかった。
でも、ま、これは賄いと思うことにして、居もしない丁稚の頭を小突く。
そしてしばし休憩をとったら、今宵の銘柄を決める。
黒龍、いっちょらい。
とろりとした甘い水の味わいは、この緑のボトルに走るラベルの金色だ。
福井の言葉で「自分にとって一番いいもの」と言う意味の“いっちょらい”。
自分にとって一番いいものを用意することにして、居もしない丁稚に必要な食材を告げる。
土のめぐみから届いたキャベツをざくっと鉢盛りして、こだわりの雪塩とつうじ島の釜炊き塩、
母の作った味噌に蜂蜜とちりめん山椒を擦ったのを、キャベツに乗せたりつけたりして食すことにして、
太刀魚の一夜干しに白ネギをちりちりと焼くことにする。
それは私がではなく、居もしない丁稚の仕事だ。
いっちょらい~いっちょらいと、旋律もなく抑揚もない鼻歌を歌い、昨日読み終えた本の著者の命日を憶う。
そして、居もしない丁稚に叱咤する。
「今日はチョコレートとコーヒーは食べない、飲まないのよ。」
そんなことしかしない愚かな私は、自らに対しての勝手な贖罪でしかない。
私が絶対逢えないその人は、尊さと強さと馬鹿みたいなまるっこいやさしさをさらりと施して逝ってしまったと言う。
写真に残る髭面は、少しだけ強面なツラを構えてみたけれど、ってことだろうか。
幾度となく命を晒しても、落ち着き払った止まらない呼吸をしていたと言う。
その呼吸さえまるっこくて、銃撃戦のさなかでもそこだけ凪いでいたらしい。
事実を語る亡き語りべを語り、事実をつき続ける人がいる。
私は、その人を見続け見届ける約束をその人に誓う。
居もしない丁稚が焼き上げた太刀魚と葱を頬張りながら、それが貴方のいっちょらいだったのですねと思っていいですか?と問う。
神よ、アフリカに祝福を。





