二度目の結婚生活の間
私たち夫婦は
一緒に社交ダンスを楽しんでいました。
夫が一番好きなのはワルツ。
背が高く手足が長いので
リードについていくのが大変でしたが
その分ダイナミックなパフォーマンスができました。
共通して好きなのはルンバで
好きな曲が流れると
一緒に体を動かしました。
私はアルゼンチンタンゴが一番好きで
一緒に動画を見たり
マエストロの演奏を聴きに行ったりしました。
ダンスを習い始めたきっかけは
夫婦関係修復のために色んな事にチャレンジし
夫のために頑張るばかりでなく
私自身もっと好きなことをしようと思い
ずっと興味のあったダンスを始めようと
体験レッスンの申し込みをしようとしていたら
夫が一緒に習うと言い出し
二人で体験レッスンを受けました。
もともと音楽好きな二人なので
音楽に合わせて体を動かすのが楽しくて
レッスン以外にも
ダンスカフェに行ってみたり
自宅でも踊ったりしました。
手のひらを合わせ
目を合わせ
背中に当てられた手から
相手のリードを読み取る・・・
ダンスは
とても良いコミュニケーションでした。
お互いに追い詰められて
いよいよもうダメだというところまできても
レッスンには通いました。
でも
もう楽しむことができませんでした。
別居と同時に
レッスンをお休みすることになり
離婚したことで
お互いにダンスパートナーも失いました。
個人レッスンを受けられるので
私一人でも続けることはできたのですが
踊りたいという気持ちが
なくなってしまいました。
クローゼットのウェアは処分し
シューズは捨てることができず
しまい込みました。
よく踊っていた大好きな音楽を聴くと
悲しい気持ちになっていました。
あれから一年半。
また踊りたいという気持ちが強くなる中
ダンススタジオの前を通る機会がありました。
それまでは
通ることも避けていた場所でした。
考えただけで
胸がきゅっと痛んだからです。
その日
二階にあるスタジオの窓を見上げると
担当してくれていた先生の姿が見え
心はホールに飛んでいきました。
胸は痛みませんでした。
”あぁ、私もう大丈夫なんだ。”
そう思えて嬉しくなりました。
離婚してから
たくさんの人に支えてもらって
様々な気付きをもらいました。
そして
夫に愛されていたことを
ようやく受け取れるようになりました。
私がしてほしくないことをやめられない人
それでも
彼は私を愛してくれていた。
そのことを
頭で理解するだけではなく
腑に落とすことが
やっとできるようになりました。
あれも愛
これも愛。
自分が
どれだけ愛されていたのか
わかるようになりました。
ダンスは
一からやり直そうと思い
別のスタジオへ通いはじめました。
一年半ぶりに
ダンスシューズを履き
スタジオの大きな鏡の前に
一人で立つ自分を
えらいぞ！と褒め
胸を張り
一歩を踏み出しました。
もしも
まだ消化できない過去があったとしても
心の奥にしまい込んだ思いを
最善のタイミングで取り出せるときがきます。
そのときまで
自分らしく生きて
自分を癒していきましょう。
今日もあなたの心が穏やかで
愛に満たされますように。
