小学2年の冬、生まれて初めて
ちいさな雪だるまをつくった。
朝、学校にいく前につくった雪だるまに
ぼくは、ケンシローと名づけた。
学校から帰ると、ケンシローは
さらに小さくなっていた。
ぼくはあわててケンシローを
冷蔵庫に入れるとちょっと安心した・・・。
夕方になり、冷蔵庫の底が
水びたしになっていることに気づいた
母親から、ぼくはとても𠮟られた。
冷蔵庫の中を拭いているとき、
水になったケンシローの
「ありがとうね」という声を聞いた。
ぼくがいままで聞いたありがとうの中で、
いちばん切ないありがとうだった。
それいらい、ぼくは雪だるまをつくっていない。