眠れない。眠れない。眠れない。眠れない。眠れないんだ。いつの間にか、雨はやんだ。こういう晩は裸足で散歩に出かけたくなる。空気がキレイな気がするから。眠れない夜には窓をあけて……窓から飛び出せ!(地上15メートルからのダイブはユイコに何をもたらすのか?死、それ以外にあるまいよ……なんつってな!)真夜中の散歩。ひそかな憧れ。裸足で、あるいは、片手にサンダルさげて。真っ白なワンピース着て。街の灯は落ちている。まばらにともった灯りがほのかに道を照らしている。このまばらな灯りの、いや、灯のない部屋をも含めた誰もがユイコのことを知らない。ユイコも誰のことも知らない。そういうモードで。コワイモノなしな気分で。軽く。軽く。ただ軽く。存在が耐えがたく軽くなる、その先まで。そして、やっぱり死、それ以外には何も残らないのか!サイは既に投げられた。しかし、出る目は決まってる。ピンゾロの丁!そう、どうやったって、生きちゃってるし、死なないのだ!!