宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』を観てきました。

賛否両論、世の中、盛り上がっていますね。
わたしも、一緒に観ていた相棒も、
それぞれに、意見も感想もありました。

が、
わたしが、それ以上に感動していることは、
わたしたちが、今まさに、
彼のいる、
彼が創作をしている、
彼がメッセージを投げかけている、
この時代に、居合わせている、という事実です。

宮崎駿監督の最新作が出たといっては、
全国津々浦々の人々が、映画館に並び、
メディアはこぞって、その内容について意見を書き立て、
前作に比べてどう、とか、
やっぱり最高傑作はなんだ、とか、
賞はとれるのか、とか、
家庭でも、職場でも、そういう話題で盛り上がる。

そういう話題の中に、わたしは居て、
でも、自分の目と耳と感覚で、
この作品の芸術を好きだなぁと思い、
この作品のメッセージを受け取り、納得したり、しなかったり、できる、ということ。

これって、すごいことじゃ、ないでしょうか?

例えば、
わたしたちにはもう叶うことのない、
モーツァルトが居た時代や、
手塚治虫の居た時代の、
ひとびとの感動。

多分、いや、かなりの確率で、
そういうのに匹敵するくらいの、
瞬間に立ち会っているということです。

「定理」とか「事実」「古典」として確認されているのではない、
情報と作品を、
楽しむという、瞬間に。

満員御礼の会場で、子どもの歓声やらボヤキやらが飛び交う中で、
わたしはなんか、感謝したい気持ちになって、
ひとり、感動しちゃったわけ。