社食でひとりすするおうどん。

春でも夏でも、秋でも冬でも、あったかいおうどん。

おうどんが食べたいときの心境は、
弱っているときの心境で、
何か、体に栄養をつけるとか、そういう意味で、
はっと、
「おうどん食べなきゃ」とか「おうどん食べよう」とか、思って、食べに行く。

或いは、
家でくつくつ煮込むうどんも、
何かとにかく栄養つけなきゃって、
頭の片隅に母のイメージがあって、
もくもくと湯気をたてて出来上がってくるおうどんを、
ひたすら、食べる。

実は、
体だけじゃなく、心に栄養を、与えている瞬間なんだと、思う。

黙って、
ひとりでおうどん食べて、
それで、はっと気づくとき、
ふーっと力が抜ける感じで。

そしてわたしは、
「ふたりでおうどん 泣きながら食べた」
っていう、
ドリカムの歌の一節を思い出して、
ああ、ここで泣いたらだめだって思って、
お行儀悪いと思ったけど、
社食の片隅で、
歌を口ずさんで、
ずずっと、押し込んだ。

いろんなものをね。

強くなるんだ。