私達の中には、男性エネルギーと、女性エネルギーが存在します。


男性エネルギーをシンプルに表現すると、「する」「行う」「話す」
などの直線的な行動にでます。


一方で、
女性エネルギーは「許容する」「受容する」「聞く」という言葉に象徴されます。


一人一人の性格にもこの男性性と女性性が、混在します。男性であっても、草食系と呼ばれるように女性性、受容性の強い人や、女性であっても、エネルギッシュでばりばり行動派、男性性の強い人もいます。


要は一つの有機体(人体)の中には、陰と陽、男性性と女性性が混在する、ということです。そして、このバランスが大切だということです。


文化でもその違いが表れます。男性的なアメリカや中国の文化。女性的な日本の文化。また、それが人種にも表れます。日本人は、アメリカ人よりも、総じて女性的です。


さて、施術で触れるときにも、男性性のタッチと、女性性のタッチがあります。

①男性的なタッチ
②女性的なタッチ
③女性的、かつ男性的なタッチ


一番幅のあるタッチは、①だけでも、②だけでもなく、①と②を合わせたものです。女性的な「受容する」タッチが前提にあって、男性的な「する」ということもできるタッチです。


力を抜いてリラックスして、力をすべて抜いて委ねます。これが実は簡単ではなく、力を抜くということには深さが存在します。自分が力を抜いていると思っていても抜けていないのです。


これは実際に体験しないと分かりません。


力が抜けない、というところには、自我や煩悩が存在します。そういう自分と向き合い続けることで、やっと力を抜くことができていきます。


自分からタッチをするのではなく、受け手から自分の手に触れてきてくれるのを待ちます。より「聞く」ことをします。これが女性的なタッチです。


さて、できる範囲で十分に聞くことができたら、その状態と意識を保ったまま、実際に一定の圧をかけて圧を「する」ことをします。これは変化を実際につけにいきます。これが男性的なタッチです。


ロルフィングの効果がなぜ高いか、の大切な要素に、この女性的なタッチがベースにあります。ちなみにアメリカ人は、より「する」という男性的なタッチに偏りがちです。文化が「手」にも表れます。


手で聞くと、そこに相手が動くことのできるスペースができます。このスペースを作ることが大切なのです。


学んだことをただする、というのは、受け手を聞かず、無視して、「する」、「行う」、「話す」男性的なタッチしかしていないことになります。多くのマッサージでされていることは男性的タッチのみ、と言えます。


そして、効果の高い男性的なタッチになるほど、筋力を使いません。筋力でぐいぐいやるマッサージは効果が低いです。


そうして相手のことを聞くときに、「共感」が生まれます。これが変化を起こすタッチです。ですから、聞くことが大前提です。


ほとんどの受け手の方達は聞くことをすると、カラダが変化を起こしてくれます。しかし、奥が深い。ここから神経系との駆け引きが始まります。


どこで聞くのか、話すのかを手を通したコミュニケーションの中で交渉します。


どの深さで、ここの箇所で、どれくらい変化を引き出せるのか、を常にコミュニケーションしながら進みます。積年の疲れなど、密度が濃いパターンには、「聞く」だけでなく「話しかける」ことが有効です。


家系で受け継がれ、それが骨格の中でブロックになっている場合などは、一筋縄ではいきません。もしかすると、受け手の方が一生かけて気づいていく課題がそこにあるかも知れないのです。


手は「聞いて」「話す」ことが同時にできます。このように、女性性をベースに持ち、かつ男性性を発揮していくほど最も幅があり、大きな効果を生み出す、と私は感じています。


待つのと、実際に行動に移す。現実の世界でも、私達は待っているだけでは始まらず、実際に行動を起こします。


歩く、食べるなど、私達は、「する」世界に生きています。物質の世界では、「する」、「体現する」ということが、「在る」「聞く」と同時に大切なのです。


このバランスの大切さに気づいたら、道が開けます。


今日は、男性的なタッチと、女性的なタッチについて書いてみました。女性的なタッチで深く「聞ける」ことと、男性的な「する」タッチのどちらもができると、施術に幅が生まれることになりますよ、ということでした。


この世は陰と陽の要素で形成されています。男性と女性が交わって、はじめて新しい命が宿ります。生命の神秘は、どちらの要素も欠かせない、ということなのですね。