今日は、言葉感覚について書いてみようと思います。


コミュニケーションで、紙面上の言葉は、なかなか思うことが相手に伝わりにくい媒体であると思います。


例えば、メールを送るために文章を書いて、自分の言わんとしていることを相手に説明しようとすると、相手に誤解をあたえないように、曖昧でない隙のない文章を作らなくてはなりません。


曖昧な文章は、その受け取り方は読み手によって変わります。共通語と言えるのは、日常で使われている会話レベルになるでしょうか。


そして、画像などの視覚イメージが加わると、多少読みやすく分かり易くなります。雑誌や、ホームページを見るときに絵が多いが良いのはそのためですね。


物語は、文字の羅列があっても、画像を思い浮かべたり、文の行間がかもちだす雰囲気から、読み手が想像力を働かせて、ものを読むのだと思います。


一方で、会話になると物事をより簡単に伝えることができます。


紙面上で30分奮闘してつくった内容も、話すと5分で済んでしまいます。話すことは、文の隙間を何となく埋めることができ、そして情報量が一気に増えます。


今はインターネットの普及で、スカイプなどを使って話すと言いたいことがたやすく伝わりますよね。


次に、パソコンの画面で実際に話している人をビデオカメラで見ることができると、足りない言葉でも、言わんとしていることが表情やジェスチャーから伝わり易くなります。


さらに実際に相手と会って話すと、言葉と、表情、ジェスチャーに雰囲気や臨場感が加わりさらにコミュニケーションが簡単になっていきます。


このように、文字のみのやりとり文字+画像会話相手を見ることのできる会話実際に会って話す、と、コミュニケーションは順に楽になっていきます。


さて、ここで身体について考えみます。身体のメイン言語は、感覚です。身体の感覚を表現しようとすると、一気にコミュニケーションが複雑になります。


例えば、ロルフィングのセッションで、受け手の身体の感覚が変わった後に、歩いてもらって「どう感じますか?」と尋ねると、


「う~ん、・・・・・何て表現したら良いか分からない。」「違うのだけれど、言葉では表せない。」という返事を頻繁に聞きます。 


身体の主役は感覚なのですが、それを言葉で表現しようとすると、なかなか的確な表現が出てこないのです。


このように感じている感覚を言語で伝えようとすると、一気に難度が上がります。そこに自分と相手がいて、お互いを見ることができても、伝える言葉を見つけることが簡単ではなくなるのです。


施術者としては、手技をしているときには、手の感覚を通してコミュニケーションしています。相手の感覚が手を介して自分に入ってきます。理解するのに言語は特に必要としません。


ですが、一番チャレンジなことは、動作を伝える場合です。


ロルフィングで、相手にやってもらいたい動作を正確に伝えようとすると、言葉と、感覚を同時に相手に理解してもらうことが要求されます。


自分の説明する言葉と、相手が動作をして感じてもらったことが繋がって、始めて自分の言わんとする動作を相手に伝えることができます。


このコミュニケーションを成立させるためには、知覚を使った共感が欠かせません。


手で触れて、目を使って、空間を感じて、相手の動作をあたかも自分も感じているように共感できる「感覚」が必要になるのです。


私たちは、身体を通して、日々体験を繰り返しています。ですが、身体がどう感じているかを意識し、表現できる人は実は少ないのです。


自分の身体が何をどう感じているのかが分かり表現できるようになると、新しい世界が広がります。


私たちが、身体と共に、この人生を体験していることの醍醐味がそこにあるように、私は思うのです。