2月22日に退院してからの母は、とうとう布団を敷いたままの生活になりました。
約2週間の入院中、12~14日に一時帰宅したときでは予想できないほど、その後の入院の間に体力が落ちてしまったようでした。
全脳照射だけだったなら病院内をうろうろしたり、ベッド脇でラジオ体操をしたり、きっと体力維持のために今までに入院した時のように何とかできたのかもしれません。
帯状疱疹を発症したせいなのか、あまり動きまわることはできなかったのかもしれません。
退院時の足元や、帰ってきてからの動きが弱弱しくなった…とは私は感じられず「一緒に買い物行こうよ」とか、「散歩に行かない?」とかなんとか外に連れ出そうとしたものでした。
けれど、以前のようには一緒にでかけることはありませんでした。
年末ごろからは布団の上げ下ろしは私がしていたのですが、退院してからの母は布団は敷いたままにしてほしいと言っていました。
私たちにはつらいそぶりは見せなかったけれど、きっと、起きているのもしんどいことが増えていたのでしょう。
気付いてあげられなくてごめんね。
2月26日は病院の受診日でした。
いつもの呼吸器内科と帯状疱疹のための皮膚科。
母は全脳照射の入院中から疼痛コントロールのため、カロナールではなくオキシコンチンを使い始めていました。
この頃は10mgを1日2回。
デカドロンも引き続き。
先生はオキシコンチンを使い始めたばかりなので、痛みの具合や、ぼうっとするような症状が出ていないかを確認してくれました。
母はオキシコンチンの副作用はあまりなく「よく眠れるんですよ」とにこにこしていました。
ずっと痛いと言っていた、右肩の痛みは、オキシコンチンでだいぶ楽になっていたようです。
帯状疱疹は順調に良くなってきてはいましたが、まだ少し様子見が必要ではありました。
でも皮膚科での受診自体はこの日で終わりで大丈夫でした。
やはり入院中の発症だったので、迅速に適切な対処をしていただけたのが大きかったようです。
まだ少しチクチクするような痛みは少し残っていると母は言っていましたが、自然に回復するところまできているとのことでした。
受診後は母がオムライスが食べたいと言うので、オムライスのお弁当を買って、いつものとおり仲良く半分こ
ちゃんと半分食べてくれた母にホッと一安心。
本人が食べたいと思うものでも、口にしてみたら「ダメだった…」なときがあるので。
母が年が明けてから「一緒に銀行に行ってほしい」と言っていたので、この日は1日有休をとって、お昼を食べた後に一緒に銀行へ行きました。
右の声帯あたりのリンパに転移したせいで、声を出すのが大変そうな母。
でも銀行の担当の人に、一生懸命質問していました。
自分が死んだあとのこと。
死なずとも、症状が進んで自分では口座を管理できなくなった場合のこと。
私に管理を託すこと。
私は「まだまだ気が早いなぁ」と思いながら、でも母の意思に寄り添うように話を聞いていました。
私には兄が2人います。
1番上の兄は今も一緒に住んでいますが、2番目の兄はもう20年以上連絡を絶っています。
どこに住んでいるのかも、携帯番号すら、この2月の時点では母も私も知りませんでした。
そんな状況が母は余計に心配になっていたようです。
自分が死んだあと、連絡がとれない子がいる場合、どうしたらいいのか。
戸籍の附票を取り寄せることで現住所が解ると教えてもらいました。
母は私に「頼んだ」と。
私も「任せとけ」と。
任せとけとか言ったくせに、私すぐ動かなかったんですけどね。
丁度仕事もかなり忙しい時期で、落ち着いてから…と2か月ぐらい放置してしまいました。
ダメな子。
銀行では、もしもの場合の手続きや、事前にとっておける制度の説明などを受けて、とりあえず母は安心していました。
銀行そばのイオンでは、早咲きの桜が今年もきれいに咲いていました。
桜をバックに母をパチリ。
元気そうな顔
でもどすっぴん(笑)。
入院中、14日からとうとう髪の毛が抜け始めたので、帽子が欠かせなくなりました。
まだいい帽子を手に入れてなかったので、とりあえずもともと持っている帽子で。
銀行帰りには私が花粉症で目が痒いから、目薬処方してもらう…と言って一緒に病院へ。
その後処方箋薬局にも一緒に。
お布団は敷きっぱなしだったけど、まだ一緒にうろうろ歩くことはできました。
あちらこちらでお花も咲き始めていて、少しずつ春になるんだね~、花粉症実感するわ~と、久々のお散歩気分で楽しかったです。
母も笑顔で。
この日のお風呂のタイミングで、抜け毛が気になるから髪を短くしよう!ということになりました。
すっきりしようぜ!と。
私が切ることに。
剃ろうとしたんですが、なかなかうまくいかず、ハサミでじょきじょきとしたらざんばら…。
でもなんだかひよこみたいで可愛い(笑)。
「お母さん、ひよこみたいで可愛いよ!」と声を掛けたらにっこり笑顔をポーズ付きで向けてくれました(笑)。
ほわほわひよこ
抗がん剤では髪は抜けなかったけど、さすがに全脳照射では、母の強靭な髪の毛も敵いませんでしたね~。
どうでも良いですが、母の入院中に私が久々に髪を短くしたら、退院するときびっくりされました。
腰まであった髪が肩にかかるかどうかになってる!と。
でも「いいね!短いの可愛いね!」と親ばかっぷりを発揮してもらえて、満足した私でした