わたしが仮面ライダーになってもぉ♪(7) | ほらでいっぱいの町にぼくのうそが白い息と共に流れてる

ほらでいっぱいの町にぼくのうそが白い息と共に流れてる

わたしはかもめ。飛べないかもめ。日記みたいなもの。

記者会見場を見て、わたしと早乙女マネージャーと社長はぽかんと口を開けた。



「広っ!」


早乙女さんの第一声がすべてを物語っていた。

控え室に移動して、最終打ち合わせをすることとなった。

そして、わたしたち3人のほかに、会場を手配してくれた製作会社の本島さんも打ち合わせに加わった。

控え室には会場を映したモニターがある。

その映像を見て、本島さん以外の目が3倍に広がった。



「すげっ!」

報道陣が千人以上いるようだ。中には外国の記者たちも見受けられる。



「だ、だ、だ、だいじょうぶですかぁ…。」

早乙女さんの声が震えている。こんな調子じゃ本番はどうなるんだろ。

早乙女さんのテンパリのおかげでわたしは若干気を落ち着かせることができたみたい。


何度も原稿を震える手であわただしく見ている早乙女さんと社長とは対照的に、

本島さんは落ち着いている。わたしの方を品定めしるように見て、にっこりと笑う。


「君は大丈夫みたいだね。」


「そ、そんなことはないですぅ。」


わたしはあわてて手を振って答えると、

本島さんはうんうんとうなずいた。


「忙しくなるぞ。覚悟しなよ。」


「は、はい。」


わたしはあいまいに返事をした。

だって、数時間前までただの事務員兼アイドルだったんだから…。



打ち合わせを終えて、

わたしと社長を残して、先に早乙女さんと本島さんが会見会場へ向かっていった。


わたしは自分が知っていることを話すしかない。

たぶん、公然の面前で変身しないといけないんだろなぁと少し憂鬱な気分になる。

でも、仮面ライダーでよかった。キューティーハニーなら最悪よねぇ。

なんて、まだどっか冷静な気分も残っていた。

まぁ、必死でコメントを呪文のように繰り返す社長を見て入れいれば、

たぶん誰でも冷静になれるんじゃないかと思う。


(つづく)