20IO(にぃまるあいおー) ベンチ                       
 
  「I=いつか」という未来、「O=思い出」という過去。
  (911)のつづき・・・・しばらくつづくかも?
 
 木の根を残し横にばっさりとして椅子にしたようなベンチに座る彼が、顔を
 私に向けた。笑顔で「ようこそ、ありがとう」立ち上がりながら云った。
 私は軽く会釈をし、微笑みがえしができたか緊張で覚えていない。
 
 喫茶店に行きましょう、と誘われついて行った。緊張で喉がカラカラになり
 問いかけにも、少し咳払いをするような感じになってしまった。
 
 土曜日の朝の日比谷は、映画・演劇に並ぶ人たちと時間つぶしなのか、どこ
 も混雑、スタバもルノアールも人であふれていた。
 
 やっと空席を見つけた喫茶はホテルの2階。朝食のお粥などの提供をしてい
 る、レストランのようだ。
 
 アイスコーヒーを頼み、席についた。セルフなので彼が2つ持ってくる。
 私は備え付けのコップに水を入れ2人分をテーブルに置いた。
 
 少し人が近いが、テーブルに身を乗り出すような格好で、世間話に「あれ」
 とか、「この世界」とか、「こっち」だとか微妙ないいまわしをしながら
 親交を深めた。話をしていて、楽しいと感じた。
 
 ゆっくりとアイスコーヒーを飲み終え、お散歩に出た。すぐそばの大きな公園。
 ジョギングする人、親子連れ、結婚式もやっているようだ。
 
 大きな樹木の下、池の見えるベンチに並んで座り、軽く手が触れ合う。
 人の目を気にしながら、指をからめる。その間、会話は途切れない。
 お互い、過去から今に至る、経験や心情など、自分に言い聞かせるかのように
 語り合った。
 
 見上げれば、樹々の合間から陽光がキラキラ光る。日差しから逃れたベンチ
 の辺りは、時折吹く風で涼しい。『気持ちいい』、頭の中がまったりする。
 こんな時間の過ごし方は、しばらく忘れていた。
 このまま、この時間が、永遠に続けばと思う。
 
 彼の出かける時間もある。昼食をとりに駅へむかう。ピザとパスタに赤ワイン。
 私は胸がいっぱいで食欲がわかない。彼はもったいない精神保持者のようで、
 私の分まで頬張り完食。デザートが出てきたが、「別腹、別腹」・・・・すごい。
 180Cm-65Kgの痩せ型なのに、どこに入るのだろう。