蒼い夜
悪戯好きの神さまは、
狭い部屋へ二人を閉じ込めました。
そして、
様子を窺がっていました。
ドアの鍵は架かっていません、
いつでも出入りは自由だったんです。
だけど、お互いが気遣いし、
ドアに手を掛けることはありませんでした。
二人は、
密やかに傷を舐め合っていました。
駕籠の中の鳥、
そのままでもよかったのです。
ある寝付かれぬ夜、
一人だけ、
小さな窓から、
外を窺うと、
風が木々をざわめかせ、
水面に映るうっすらとした月灯りが揺れました。
青白い月に誘われて、
思わずドアを押し開き・・・・外へ
神さまはこの時を待っていました。
二人の仲を引き裂くこの時を・・・・・
外からは開かないドア、
内からも開かなくなったドア、
小さな窓から
お互いの手を握り合うことしか
できなくなった二人・・・
戻れず、進めず、茫然として立ちすくむ、
今は、それしか、できないのです。
長く蒼い夜はいつまでも明けない・・・
