恵比寿大黒の件。 | 根付・帯留 鹿角細工工房「鹿正洞」ブログ

恵比寿大黒の件。

先週末辺りから、漸く正月モードの鹿正。

昨年中に手が付けられなかった

「工房の掃除」を、今頃完了。

 

あ。

 

「掃除」つっても「大掃除」は無理よ。

「中の下掃除」位のヤツ。

 

んでまあ、埃も取って。

気分一新しようと思い、

棚に置いてる道具も

入れ替えしたのね。

 

まず左下隅。

 

 

んで右上ね。

 

 

 

酉歳だから、

鳥が入った七宝の花瓶出したのさ。

今年の色は黄色だし。

 

 

で、そうすっとその脇に

「不思議な一角」が有るでしょ。

 

 

 

ここね。

 

 

これ、ウチの工房でお祀りしてる

恵比寿様と大黒様なのよ。

 

氏神と先祖関係の神様達は

居住空間の方に有る神棚にお祀りしてて。

仕事場は仕事場で分けて、

こういう形にしてるの。

 

 

 

 

で、その恵比寿様と大黒様なんだけど。

こういう風に、二柱揃って

升に収まっておられるの。

 

 

恐らく江戸後期から

明治期のものだと思う。

 

今更説明するまでも無く、

この二柱は豊穣/財福/商売繁盛の神様。

二柱が鎮座しておられる升は、

一升の半分サイズ=半升【はんじょう】マス。

即ちこれ、「ますます繁盛」の願掛けた

まじないなのね。

 

一柱ずつ御紹介。

まずは恵比寿様。

 

 

H60mm。

材は杉か檜だと思う。

金彩が綺麗。

 

時代の付いた恵比寿像には

物凄く良く有ることなのだけど。

鹿正洞にお招きした時点で、

右手の釣り竿は失われていた。

だもので僕が拵えて、

お持ち頂いている。

 

 

 

続いて大黒様。

 

 

H55mm。

やはり彩色されている。

 

こちらも右手の小槌は失われていた。

同じく僕が拵えてお持ち頂いた。

 

因みに升の中で二柱が敷いて居られる

金襴の座布団も、僕が縫ったもの。

 

恵比寿様大黒様共、

実は様々な様式/バリエーション

が存在しており。

例えばこの大黒様は

プロポーションが極端に

ディフォルメされているのが特徴的で。

まるで「ドラえもん」みたいな

二頭身なのだけれども。

これは作者のデッサン力云々で

こうなっているのではなくて。

古い時代の大黒像に、

偶に見られる様式。

 

 

 

 

 

御顔周りアップ。

 

 

二柱共、とても良いお顔立ち。

全体に母材の風合いを活かした

ラフな作りだけれども。

二神の御顔周りの彫りは

非常に冴えている。

 

僭越ながら、

彫刻をやる者の端くれとして思うけど。

この作者は物凄く上手な人。

 

 

 

 

 

1月10日は、

西日本じゃ「十日戎【とおかえびす】」

の祭礼だったんだね。

僕それ全然知らずに、

SNS上で恵比寿大黒の話ズラズラ

書いててさ。

言われて気付いて、

慌てて二柱周りの掃除。

お供えも紙垂も新しくした...と。

で、御縁だろうから

こうして記事にもしてみた次第。

 

 

今年一年、上手く参りますように。

パンパン!っと。

 

 

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