【アメニモマケズstory   2  〜まさか!私が名付け親に?〜】




山本会長とのインタビュー以来、馬主でもないのに馬主のような気分で心待ちにしていた北海道トレーニングセール。

いよいよその日がやってきた。



二〇一九年五月二十一日。

山本会長は、よく走りそうな二歳馬を探しに、会場へ足を運んでいた。





トゥルルルルルルルル。



突如、電話が鳴った。

見ると、岩手競馬の方からだった。



「もしもし。嬉しいお知らせだよ。山本会長、今日のトレーニングセールで馬を買われたんだけどね、その馬の名前を六車さんに付けさせてあげるよだって!良かったね!」



えぇーっ!?!

私が名付け親に?



まさかの展開にビックリしたが、そのお心遣いがめちゃくちゃ嬉しかった!

山本会長!本当に、なんて粋な計らい!



「もちろん、有り難くお受けさせてください!」

私はすぐさまお答えした。




山本会長が選んだ馬は、セイクリムズン産駒(セイクリムズンという馬がお父さんということ)の女の子だった。







いやぁ。嬉しいなぁ。

私が名前を付けられるなんて!

どんな名前にしようかなぁ。ワクワク。


いやいや、ワクワク浮かれててはいかん。

これは責任重大だぞ。

名は体を表すというからな。

責任を持って、しっかり考えなきゃ!




うーむ。

まず最初に考えるのは、どんな馬に育ってほしいかだ。

やはり、このコには岩手競馬背負って立つくらいのスターホースになってほしい。

そうなると、岩手にちなんだ名前にしたいな。



岩手といえば、、、

アメニモマケズ。宮沢賢治だ!



調べてみると、アメニモマケズの英訳は色々あるが、今や『UNBEATEN BY RAIN』が共通になっているようだった。




これだ!

アメニモマケズの精神で、岩手競馬のスターになってほしい!

もうこれしか無いじゃないか!



しかし問題は、文字数だ。

競走馬の名前は二文字〜九文字と決まっている。このままだと『アンビートゥンバイレイン』で、かなりの字余りになる。


仕方なく、まずは『バイ』を取った。

『アンビートゥンレイン』


お!良いじゃん。

と思ったら、一文字多いーっ!

仕方ない。

日本語英語みたいな発音にはなるが、『ゥ』をカットしよう!




『アンビートンレイン』



いやぁ〜ん。

可愛いじゃぁぁぁん!




馬の名前は『アンビートンレイン』で決定!

しかし山本会長からは、二、三候補をあげるように言われている。



ふむ。

私は、自分が大好きな映画『ドリームガールズ』から、名前をもらうことにした。



岩手の夢を背負って走る女の子。

まさに『ドリームガール』だ!




こうして馬名候補が決まり、山本会長にメールを転送して頂くよう岩手競馬にお願いした。

写真は、その時送ったメールである。






私のメールを読んで下さり、山本会長が選んだのは、



『アンビートンレイン』



私のイチオシだった。




良かったー!

アンビートンレインに決まった!

嬉しい!




まだ会ったことのない女の子。

アンビートンレイン。

どんなコなんだろ。

どんな顔してるのかな。

やんちゃな性格かな。




アンビートンレイン!

早く会いたい。

あなたが元気にデビューしてくれるのを楽しみに待ってるよ!


頑張ってー!








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奈々