【六車奈々、会心の一撃! ~若作り女の悲劇~】
女性はいつまでも若くありたい生き物だが、『若作り』と『若々しい』は大きく異なる。
前者は、服装やヘアメイクで無理矢理若く作ることであり、
後者は、その人自身が若く見えることをいう。
私の個人的な意見としては、
20代には20代の良さが、
40代には40代の良さがあると思うので、
別に必死になって若く見せたいとは思わない。とは言うものの、人から若く見られるとやっぱり嬉しい。嬉しくて小躍りする。おっと、小躍りしてる時点でそれはかなり、いや、めちゃくちゃ嬉しいではないか。そうだ。やっぱり嬉しいのだ。まぁ女性とは、そういう生き物なのである。
従って、「若いねー」と言われると嬉しいが、
「若作りしてるねー」と言われると、そやつの不幸を祈る。
では『若作り』の何がいけないのか?
それは、センスが無いことだ。なぜなら『若作り』とバレてしまっている時点で、自分に似合う服装やヘアメイクをチョイスできていないからだ。
いや別に、五十路の女性がパンツ見えそうなほどのフリフリのミニスカを履いたって良いのだ。誰にも迷惑をかけていない。
しかしだ。
どんなに頑張ったところで、肌も肉体も五十路なのだ。すると周りから見たときに、肌と装いの大きなギャップに目が行き、そのギャップが違和感へと繋がり、延いては痛々しく見えてしまうのだ。
私の娘は三歳だ。ツインテールがよく似合う。プクッとした下ぶくれに、ハリのある肌。まさにツインテールがピッタリだ。
ある日のこと、娘にツインテールをしてあげるとたいそう喜んだ。鏡を見てニコニコ。すると娘はお揃いにしたくなった。
「お母さんも、同じ髪やってーっ!」
おいおい、オマエのお母さんは45歳なんだよ。オマエさんが成人式を迎えるより、お母さんの赤いちゃんちゃんこの方が早くやってくるのだよ。世の中では四十路を過ぎたら初老というのを知ってるかい?知った上で、それでもお母さんにツインテールをしろと言うのかい?
いいさ。そこまで言うなら、やってやろうじゃないの。可愛い娘の頼みだ。母は何だってやってあげるさ。
私は娘と同じような高い位置でツインテールをやってみた。
改めて、鏡を見る。
・・・妖怪だ。
完全に、妖怪ではないか。
妖怪ツインテールばばぁの誕生である。
なんと恐ろしや、ツインテールばばぁ。
ツインテールに顔が追いついとらん!
『皆さま。こちらが妖怪ツインテールばばぁでございます。ご覧のように、顔と髪型には大きなタイムラグがございます。それでは皆さま、どうぞ顔面の時間旅行をお楽しみ下さい。』
いやはや。
年齢不相応の恐ろしさ。
いいか。世の女性たちよ。
若く見られたいのであれば、けして服装やヘアメイクに頼るのではないぞ。
己の肌と肉体を磨くのだ!
ツインテールばばぁからの、ありがた〜い教えであった。
note:『六車奈々、会心の一撃!』
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