【六車奈々、会心の一撃!  ~有為転変~】 


我々日本人は、世界で唯一、生海苔を分解できる酵素を持っている。この事実をご存知だろうか。


つまり日本人がウンコを食べると生海苔に、、、失礼。日本人が生海苔を食べるとウンコになるが、日本人以外が生海苔を食べると、分解酵素を持っていないためウンコにはならず、生海苔のまま出てくるのだ。

実は、これはとても大切な話なのだ。


まず、どうして日本人だけが生海苔の分解酵素を獲得したかという話だが、こういうことらしい。

日本に流れる川の水は、ほとんどが軟水だ。従ってミネラルが少ない。しかし人間が健康に生きていくためにはミネラルが必要だ。

そこでご先祖様はどうしたか?

日本は四方が海に囲まれた環境にある。海の中に豊富に生えていた海藻を食べることにより、ミネラルを補給してきた。それが子孫代々続くうちに、生海苔を分解できる酵素を獲得したというわけだ。


お隣の韓国には、美味しい韓国海苔がある。しかしこれは、焼き海苔だ。目の色も髪の色も同じ黄色人種だが、実は韓国の人は生海苔の分解酵素を持っていない。


つまりどの国の人間も姿形にさほど差がないが、体の中ではそれぞれの土地にあった進化を遂げてきたということだ。

だから私が美人塾でよく話すのは、海外のセレブにとってスーパーフードと言われるものでも、日本人にとってはスーパーフードかどうかわからないということだ。


まぁそれはさておき、なぜ生海苔の分解酵素が大切な話なのかを話そう。


私はかれこれ10年以上、日本成人病予防協会と文科省のプロジェクト『バナナうんちで元気な子!』で、都内の小学校をまわって講演をしている。

そこで気づくのは、いかにハーフが増えたかということだ。私が小学校のころは、全学年でたった二人しかいなかった。今でも覚えているが、マレーちゃんという白人とのハーフだ。大きな目の、まるで人形のように可愛らしい女の子だった。もう一人は、マレーちゃんの弟。つまりその一家以外に、ハーフはいなかった。(アジア人どうしのハーフは見分け不可能なため、わからない。)


ところが今、バナナうんち講演で小学校をまわると、一学年に五人ほどは白人や黒人とのハーフがいる。アジア人のハーフも入れたら、もっとすごい人数になるだろう。


日本は何と国際的な国になったことか。

大阪万博のころは、外国人を生で見られたことに興奮したと聞くが、今や世界中の人が来日し、日本人と結婚し、そのまま日本に住む時代だ。と同時に、日本人が遠い海の向こうへ渡り、その土地で生涯の伴侶を見つけ、永住することも増えた。『こんなところに日本人』という番組を見ると、日本人が母国を飛び出して世界のあらゆる国へ行き、逞しく生きている姿に驚く。そして、その日本人たちはその国で新たな命を繋ぎ、日本の血を残しているのだ。これは、文明が発達して『簡単』かつ『安全』に海外へ移動できるようになったからこそである。


とするとだ。

これほど文明が発達する前までは、現生人類はアフリカから各大陸へと渡っていき、その土地に留まって、その土地で生存しやすいように進化を遂げてきた。

しかしここ数十年で簡単に海外へと行けるようになり、日本にもどんどん日本以外の血が入ってくるようになった。

すると、これまでは『世界で唯一、生海苔を分解できるのは、日本人だけです!』

と言ってきた言葉が、近い将来、通用しない時代になるかもしれないということなのだ。


遠い海の向こうでは、日本人が異国の人と結婚をし、生海苔分解酵素を持つ子が生まれるかもしれない。その子が誰かと結婚したとき、生海苔の分解酵素はまた優性遺伝で受け継がれるかもしれない。とすると何世代か先になったとき、日本人だけが獲得してきた生海苔分解酵素は、世界中のあらゆる土地で見つかるかもしれない。


逆を返せば、日本にいながらにして外国人と結婚した場合、たまたま劣勢遺伝で海苔の分解酵素が受け継がれなくなると、生海苔の分解酵素を持たない人口が増えるかもしれない。すると、『生海苔の分解酵素を持っているのは、日本人だけです!』なんて話をしても、大半がポカンとなるわけだ。


しかし、こうとも考えられる。

これだけミネラルを容易く補給できるようになり、海藻を食べる習慣が減ってしまった今、そもそも日本人の体内で生海苔分解酵素が不必要だと判断され、退化していくかもしれないということだ。


日本人だけが持っている生海苔分解酵素は、この先どうなっていくのか?

有為転変は世の習い。

私も、今の時代を噛み締めて生きようと思ったのであった。


note:『六車奈々、会心の一撃!』

https://note.mu/nana_rokusha





奈々