馬 奈々の『うまンティックstory』 馬



『第115回 天皇賞 春』。



私は、サクラローレル、マヤノトップガン、マーベラスサンデーの
3頭の戦いが大好きでした。



マーベラスサンデーは、
当時、競馬を始めて間もない頃の私にとって、
同期のような存在の馬でした。





マーベラスは、どうやってもローレル、トップガンに
GIで勝つことができない。



次こそと思っても、勝てないマーベラス。
そして、絶対に勝たせない2頭。



本当にワクワクさせてくれるレースが続いてました。





そんな中、1997年に行われた、
『第115回 天皇賞 春』。



ローレルは、有馬記念を勝って以来、4ケ月ぶりのぶつけ本番。
マーベラスは、休み明けの大阪杯を快勝して万全の状態で挑み、
トップガンは、阪神大賞典を勝っての叩き2走目。


この日、大好きな3強の戦いを見に、京都競馬場へ行くつもりをしていた私は、
当日風邪を引いて熱が出てしまい、仕方なく家のテレビで観戦していました。





いよいよゲートが開いて、天皇賞がスタート!





トップガンは中団内側、ローレルは、そのちょっと前の真ん中、
そしてマーベラスサンデーは、ローレルを見るカタチで、
レースは進んでいきました。


3コーナー手前から早めに動いたローレルと、それをマークしていたマーベラスサンデーの2頭は、
4コーナーまわって先頭へ踊りでました!


その時、トップガンは2頭のはるか後ろで、ようやく外へ持ち出したところ。



直線では、早くもローレルとマーベラスの激しい叩き合いが始まっていますっ!




「トップガン!もう間に合わないよーっ(>_<)」




ローレルとマーベラスの叩き合いは激しく、
最初、マーベラスの方が優勢に見えました。





「マーベラス!今回こそイケるかも!\(^o^)/」





そう思ったのも束の間、
ぶつけ本番でもローレルは圧倒的に強く、
ゴール手前で、マーベラスを競り落としました。





「ああ~!ローレルはやっぱり強い!(ToT)」





ローレルの強さに感動し、まさに優勝を確信した、その時!!!


外から
とてつもない脚で
一気に差し切った馬がいました!!!





マヤノトップガン!





なんという馬!


なんという脚!!


なんという勝ち方!!!




マヤノトップガン、3分14秒4。
世界レコードでの優勝。



感動のあまり、鳥肌が立ちました!




翌日のスポーツ紙で、サクラローレルに騎乗した
横山典弘ジョッキーのコメント、今でも覚えています。





『「勝った!」と思った瞬間、外から黒い影が飛んできた。』




またしても、勝てそうで敵わなかったマーベラスサンデー。


負けたけど、一番強いレースをしたサクラローレル。


そして、劇的な勝ち方でファンを魅了したマヤノトップガン。





『あの時、熱さえ出なければ』




このすばらしいレースを競馬場でナマで見られなかった悔しさが後押しして、
私の中で未だにしびれる、最高のレースです。




奈々