ロコ大人ピアノ部

ロコ大人ピアノ部

ピアノ愛が過ぎて大人専門の教室を立ち上げた英語&ピアノ講師ロコのピアノあれこれです。最近幼児向けの英語&ピアノコースを始めました。YouTube「ロコ大人ピアノ部」http://www.youtube.com/@roko3piano

 

 完全に昔と同じにならないことは大人やねんからわかっとる

私が思う、“曲の解凍”とは?

■ 大人の学習者にとっての「もう一度、あの曲を」

大人になってからピアノを再開すると、 子どもの頃や学生時代に弾いた曲が、ふと心に浮かぶ瞬間があります。

「もう一度あの曲を弾いてみたい」 「昔は難しかったけれど、今なら違う音が出せるかもしれない」

そんな気持ちで楽譜を開くと、 指先や耳の奥に、かすかに残っている“記憶の温度”が立ち上がってくる。

私はこの瞬間を、 “曲の解凍” と呼んでいます。

■ なぜ「解凍」という言葉を使うのか

「解凍」という言葉は料理の世界の比喩ですが、 ピアノにおいても驚くほど構造が似ています。

  • 一度仕上げた曲がある

  • 時間を置いて、記憶の奥にしまわれる

  • 再び取り出すと、完全にゼロではない

  • 温度を戻すように、少しずつ感覚が蘇る

このプロセスは、まさに“解凍”そのもの。

もちろん、専門的に言えば「再仕上げ」「再練習」などの言葉もあります。 

でも、大人の学習者にとっては、 「ああ、昔の曲を温め直す感じね」 と直感的に伝わる言葉の方が、

ずっと親切だと私は思っています。

■ “解凍”は「やり直し」ではなく「再会」

大人の方が昔の曲に戻るとき、 そこには子どもの頃にはなかった感情や経験が加わります。

  • あの頃は気づかなかった和声の美しさ

  • 今だから分かるフレーズの呼吸

  • 人生経験が音色に深みを与える瞬間

だから“解凍”は、 「やり直し」ではなく「再会」 なのです。

冷凍庫から取り出した食材が、 温度を戻すことで本来の香りを取り戻すように、

 昔の曲も、今の自分の手で再び息を吹き返す。

その変化こそ、大人のピアノの醍醐味だと感じています。

■ 解凍には“時間”と“余白”が必要

曲の解凍は、急いで仕上げるものではありません。

  • 指が思い出すまでの時間

  • 耳が繊細さを取り戻すまでの時間

  • 心が曲と再び向き合うための余白

この“余白”を楽しめるのが、大人の学習者の強みです。

昔は「早く仕上げなきゃ」と焦っていた曲も、

 今は「ゆっくり温めていこう」と思える。

 その姿勢が、音に深さを与えてくれます。

■ 最後に:言葉は、学ぶ人のためにある

最近、「曲の解凍」という言葉は正しくない、という声も耳にします。 

でも、言葉は本来、 専門家のためではなく、学ぶ人のためにあるもの。

大人の学習者がイメージしやすく、 安心して取り組める言葉なら、それで十分に価値があります。

私はこれからも、 学ぶ人の心に寄り添う言葉を選びながら、

 “曲の解凍”という表現を大切に使っていきたいと思っています。

わー、なんか真面目に書いてもたわ。