どうもです。
今日は、最近のニチアサ(特にプリキュアとキングオージャー)について思うことがあり、それについて書きたいなと思ったのでブログに残したいと思います。
さてみなさん、今のプリキュアとキングオージャー観てますか?観てますよね?観てないなら観ましょう。
ヒーローをテーマにした「ひろがるスカイ!プリキュア」と王様と昆虫のモチーフを使用した「王様戦隊キングオージャー」です。
どちらも前作、というか過去作からとてつもない進化を遂げたまさしく「時代の最先端」を行くヒーローだと思います。
具体的に分かりやすい進化で言えば「ひろプリ」はシリーズ初の男子レギュラープリキュアと(地球人の)成人レギュラープリキュアを採用したり、
「キングオージャー」は最新技術、バーチャルプロダクションを使用した今までにないファンタジー世界を舞台に五人の王様が連続ドラマ仕立てでドラマを紡ぎ、本当に技術的、時代的な進化に驚かされます。
そして私はもう一つ、そんな最近のヒーロー達見ていて「変わったなぁ」と感じるポイントを見つけたので今日はそこを語りたいと思います。
それはズバリ、「揃わない事」です。
まず先に分かりやすい戦隊から語りましょう。
「揃わない」といえばキングオージャーよりも去年放送された「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の方が先に思い出す。という人も多いと思います。
確かにドンブラザーズはみんな揃って変身する回が終盤まで無く、ネットの記事でも「全然揃わない戦隊!」として特集され話題になりました。
でも私は少しこう思うのです。
「実はドンブラザーズよりキングオージャーの方が揃っていないのでは…?」と。
どういう事かというと、そこにはドンブラザーズの変身システムが関係しています。
ドンブラザーズは怪人がどこか現れると目の前にドンブラスターが現れ、強制的に変身、招集されるシステムです。
そう、強制的に揃わされるんですよ。ドンブラザーズ。
だから確かに変身前が揃わない回が多々あっても変身後は全員大抵どの回にも出ます。(いやまぁ出ない回もあるけど)
対して、キングオージャーは…
「マジで!全っ然!揃わない!」
1話はトンボオージャーが居ないですし、その後の回でも2、3人しか変身しない回が結構あり、
12話に至ってはジェラミーの変身するスパイダークモノスしか登場しません。
いくらドンブラザーズでも流石にそんな1人や2人しか変身しないなんて回はほぼ無いです。
今までの戦隊にもそういう回が無かった訳ではありません。
それこそ五星戦隊ダイレンジャーは劇中メンバー全員が変身しない回があるし、忍者戦隊カクレンジャーも第一章ラストで一度解散した後、個々のキャラをメインにして他は変身しない回がありました。
が、それでも数話程度、基本的にはみんなが変身して揃っているのがスーパー戦隊。こんなに揃っていない回があるキングオージャーは凄く珍しいのです。(キュウレンジャーもそんなに揃っていないって?あ、あれは人数の問題なので…)
では「ひろがるスカイ!プリキュア」はどうでしょうか。
そもそもひろプリ、初期メンバーが全員揃うまでがかなり遅かったです。
あげはさんに至っては同期の追加戦士であるジェラミーより、遅いです。もはやあなたが追加戦士なのでは?
ですがそれより私が触れたいのは「プリキュアになった後で変身しない回」の話。
13話のファーストシューズを届ける回です。この回は、敵が一切登場しない上に、キュアウィングの変身もない、プリキュアでもかなり異色の回です。
敵が登場しない回といえばデパプリでもありましたが、今回語りたいのはそっちではないのでその話はその辺の原っぱに置いときます。
今までのプリキュアでも、変身しない戦士が居る回は別にあるにはあります。代表的なので言うとプリキュア5gogoは敵の策略(主に本好き頭キノコばあさんのせい)によってプリキュアが揃わない回が結構ありました。
ですが基本的には揃って戦うもの。
そんな中で特に敵の策略(というかこの回敵居ないし)でもなく変身しない回があるのは結構珍しく感じました。
でもじゃあツバサくんは何もしてなかったの?と言うとそういう訳ではありません。変身しない代わりにエルちゃんのお世話という役割を請け負っていました。
また、そういう意味では20話のましろんが絵本作家を目指す回も新鮮さを感じています。
この回は別に変身しないキャラが居るわけでは無く、プリズム含め全員変身し、普通に敵と戦ってます。
ですがこの回が珍しいのはプリズムが途中で戦闘離脱するのです。この回でランボーグが現れたのはコンテストに出す絵本を時間までに出さなきゃいけない時でした。
今までにもこういう「何か別の用事があるのに怪物現れちゃったヤベ〜!仲間は気にしないで行けって言ってくれたけどやっぱり心配だ〜!どないしよか〜!」って回は結構あります。
でも、今までのそういう回では大体は仲間の為に「ええい!自分の事情の為に仲間を放ってはおけん!いくしかないわ!」
と覚悟を決めて仲間のもとに駆けつけるのがお決まりでした。
実際、それも間違いではありません。
確かに、「仲間が命懸けで戦っているのに自分だけ自分の都合を優先できない」と思うのもまた正しいヒーローの形だと思います。
でもそれと同じ様に「仲間が託してくれたから仲間を信じて自分は自分のことをやる」のもまた正しさなのです。そしてましろんは、プリズムは、揃って戦うことより、自分のためにも、託してくれた仲間のためにも、自分のことを選んだのです。
また、23話では主人公のソラちゃんが諸事情で精神的ショックで変身して戦えない状態に陥るのですが、そんなソラちゃんにましろんは「戦わなくてもいい、戦わなくても私が戦うから。戦わなくたってソラちゃんは私のヒーローだよ。」と優しく肯定してくれました。
そう、今のヒーローは「揃うこと」に拘らなくなったのです。
これが私的にはヒーローの進化だと思っていて。
それはコロナ禍で現実世界でも「揃うこと」が難しくなったことや、時代の流れもあると思います。
でも確かにいつも一緒に居るだけが仲間では無いとも思うのです。
先程挙げたキングオージャーだって
「変身しない回は他のキャラは何もしてないのか?」
と言われたら全然そんなことは無いです。
それぞれが王様としてやるべきことをしています。
それに、普段揃っていないからこそ、揃った時の感動と興奮は凄いですからね。
プリキュアだって「いつも一緒に戦おうとしない=相手のことを思っていない?」かと言えば全く持ってそんなことは無いのです。
揃わずとも、それぞれの場所で輝けば良いというのは非常に良い考え方だと思いますし、
「ノルマ的な制約が無くなって描けるドラマの幅がぐんと広がった」という意味でも素晴らしいことだと思います。
そんな「揃わなくていい」
という今のヒーローの流れを作ったのは誰なのか?
これについては色々な意見があるかと思いますが、私は魔進戦隊キラメイジャーの第2話「リーダーの証明」が革命を起こしたと思っています。
この回について少し解説しましょう。
簡単に端折って言うと怪人が出現したのになぜかグリーンだけが現場に来ない。
後からイエローと二人でどうして戦いに来なかったかを聞きに言ったら
「陸上の大会があるから戦いに参加できない」と断られてしまいます。
「キラメイジャーは5人でひとつにならなきゃ駄目みたいだから…」
とレッドは説得しようとしますが、それでも断られてしまう。
その後、同じメンバーのイエローからは
「戦いにはアイツも必要だなんとかしろ!」
と言われてリーダーであるレッドが板挟みになっちゃうみたいな感じの回です。
今までの戦隊、というかヒーロー物なら「陸上の大会なんて個人の事情で戦わないなんて駄目だ!戦えるのは俺たちしか居ないんだ!」としていたでしょう。
というかそういう感じの回は過去の戦隊にもあります。
でもこの戦隊は、キラメイレッドは違いました。
この後の話の続きをしましょう。
再び怪人が現れます。
そこにキラメイグリーンが駆けつけます。
「説得に成功したのか!?」と思ったら何やら様子が変です。
実はこのキラメイグリーンは本人ではなく陸上大会の間戦ってもらう為の代役(ドラえもんのコピーロボットみたいなやつ)だったのです。
その後大会が終わった本物のキラメイグリーンが駆けつけて無事怪人はぶっ飛ばせました。
が、当然イエローはキレます。無理もないです。
「命懸けの戦いに偽者寄越すなんてどういうつもりだ!5人でひとつになって戦うんじゃ無かったのか!?」と。
でもキラメイレッドはこう答えます。
「一人一人が輝くために支え合うから、5人必要なんだ。そしてそんな5人なら、居場所がバラバラだって、いつだってチームとしてひとつなんだ」と。
この瞬間、私の戦隊推し回ランキングが更新されました。
陸上が大好きなキラメイグリーンが輝く為には、全力を出して戦う為には、まず彼女自身がが輝いてなきゃいけなかった。
だからこそレッドは終わってから来ることを許したのです。
放送当時観ていて令和最初の戦隊として「これが新時代の戦隊なんだ…!」という新しい歴史の始まりを本当に感じたし、
今改めて振り返ってもあの瞬間から戦隊の流れが大きく変わったと、少なくとも私は感じています。
それぞれにはそれぞれの都合がある。人それぞれやりたい事や、やりたくない事、好きな事、苦手な事、持っている正義。全部違う。
そう簡単に揃うものでは無いし、無理やり揃えようとしたらかえって大変。それはニチアサの世界も現実世界も同じこと。
だから今のニチアサは揃えない。
最初から揃わない。揃わなくたっていい。
毎回毎回揃わなくたってヒーローであれるし、毎回毎回揃わなくたって仲間でいられる。
かつてはスーパー戦隊といえば5人が揃って悪と戦うのが当たり前だった。
それどころか最初の「ふたりはプリキュア」なんて、二人揃わなきゃ変身すら出来なかった。
それだって決して間違いじゃない。そのヒーローがそういうスタイルだっただけ。それもまた正しさで。
揃うヒーローにも、揃わないヒーローにも、それぞれ良い所があると思います。
揃うヒーローは毎回みんなの活躍が見れる分、作劇はかなり制限されるし、逆に揃わないヒーローだと作劇としてより自然かつ多種多様な作劇ができる分、
「〇〇のキャラの活躍がみたかったけど今日はなくて少し残念」って事もあるでしょう。
でもそれすらシリーズで揃える必要なんて無いと思います。
昔のヒーローの良さが「揃うこと」であり、今のヒーローの良さが「揃わないこと」なだけなのです。
これから先も揃うヒーロー、揃わないヒーロー、どちらも産まれていくことでしょう。
少なくとも私は今の「揃わないヒーロー」が凄く凄く大好きだし、これからのニチアサがこれからどう進化していくのか一ファンとして、とても楽しみに思っています。