デパプリが終わってしまった…
寂しい…歴代で一番終わってしまって寂しいプリキュアかもしれない。
それはそれとしてひろがるスカイは楽しみなんだけども。既にソラちゃんの見た目も性格も喋り方もめっちゃ刺さってますし。
という訳でデパプリ最終回を迎えたので私の感想を纏めます。最初に「良かった所、最高だった所」、次に「もう少し観たかった、惜しかったなって所」
の順で語って最後に纏める感じです。
①良かった所、最高だった所
改めて本当に最初から最後までしっかり見据えて作ってた作品だよなぁ…って思う。
— ろくもん@ペカ娘早川千咲 (@rokumon64) January 22, 2023
色んな事が今日の回に(というか終盤の展開に)全部繋がってて凄いな…と。
イベントのタイミングから何から考えてないと出来ない。
本当に凄い話なのよ。#デパプリ#デリシャスパーティプリキュア#precure pic.twitter.com/WLVy9D7JMu
でまぁ更に言うと、キャラの役割分担が上手かったなって思う。
上のツイートでも書いてるし、インタビューでプロデューサーの梅澤氏も語ってましたが、ゆいちゃんの葛藤は終盤の展開まで取っておいて、その分序盤はゆいちゃんの周囲のキャラや敵側の内面を掘り下げてるんですよ。
そもそも主人公は作品で否が応でも話の真ん中に居て目立つから、おばあちゃんの言葉による問題解決や話の進行で引っ張っていかせて、日常回の配分は出来る限りここねちゃん、らんちゃん、あまねちゃん、その他エナジー妖精に振ってるんだなと。(あまねちゃん周りの話はかなりシリアスだから日常回っぽくないけど)
ゆいちゃんはおばあちゃんの言葉があるから精神的な強さや引っ張っていく役割になるのが全く違和感なく説得力があったし、終盤になるにつれて段々と葛藤していくのも良かった。
あとはゆいちゃんがとにかく精神的に強かった事で中盤のゆいに憧れるコメコメの描写にも説得力があったし、敵の描写もしっかり出来ていて
「ここでこれをする、このキャラにはこういう役割を持たせる」
というのをかなり整理して作られているなと感じた。ただ仲良しなだけでない、作中での立ち位置、居ることの意味をしっかり感じる作りだったのが良かったと思う。
それはクックファイターに対してもそうで、ゆいちゃん以外の3人は序盤〜中盤でそれぞれのコンプレックスと向き合う展開を既に終わらせているから、終盤の展開は敵とクックファイターの因縁やドラマをメインにしつつ、それと直面するゆいちゃんの葛藤で魅せるというかなりクックファイター組が全面に押し出された大胆な作り。
なんだけども、ゆいちゃんの葛藤が真ん中あるからプリキュアが物語が外れることは無いし、かと言って、因縁の中心人物である、マリちゃん、シナモン、ブラペ、フェンネル、そして過去のジンジャーもしっかり目立っておりプリキュアとクックファイターが対等な存在であり、プリキュアだけのドラマにもならず、クックファイターだけのドラマにもならず、
『プリキュアも、クックファイターも、両方がメインのドラマ』にキチンとなっていたと思う。
多分ここは制作陣もかーなーり意識したんだろうね。個人的には大成功。
また戦闘シーンや序盤でも分担はしっかりしていて。
敵を倒すほどに力を持っているメイン戦力はプリキュア。
作戦指揮を取ったり、敵の内情を探ったりするのがマリちゃん。
毎回、戦闘に参加は出来ないものの、要所要所でピンチをプリキュアをアシストするブラペ…
と戦闘シーンの主役はプリキュアとしつつ、クックファイターも空気にはしない。
対等に同じ戦線を共にする仲間として描いていた。
マリちゃんについてはゆいちゃんと共に序盤、中盤の他3人のプリキュアが道に迷ったときのフォロワーとして活躍していたのもあって、終盤でメインに来ても大丈夫なだけの積み重ねや言葉の説得力があったのも良かった。
序盤はゆいちゃんとマリちゃんが迷ったみんな引っ張っていく主人公、他3人やエナジー妖精のコメコメは自分と向き合い悩む成長型の主人公として据えていたんだと思う。
マリちゃんが大人として最後まで頼もしくて安心感があった。
あと技がどんどんレベルアップしていく事で、プリキュアの強くなっていってる事が可視化されていのも上手かったと思う。
単純な個別技の使い分けで敵の能力に対処していくのも、戦闘指揮のマリちゃんの意義を見出しつつ、共闘に意義や毎回の戦闘の面白さを上げていたが、それに加えて目に見えるパワーアップが個々の成長も上手く示せていた。このパワーアップする個別ワザがかなり良かったので今後もやって欲しいなって。
あとはプリキュアが一般人に認知されない、被害があまり出ない理由付けのデリシャスフィールドや、マリちゃんが生活できる理由付けの資金支給描写など、細かい部分のケアも良かった。
ここねちゃんと野菜スープを作ろうと言うときに、食べられないものがあるか確認をしたり、ピーマン好き嫌い克服回で、無理して克服しなくても良いとしたりそういうフォローも含めて。
あと敵を倒す力のないクックファイターを終盤の拓海が苦しむ場面で、「倒せなくていい」という守る力としての肯定を見せたり、
おむすびに「人と人を結ぶもの」という意味を持たせたり、
そこまで引っ張る側だったゆいちゃんの挫折を「今までがおばあちゃんの言葉で上手くいっていただけ」としたり、意味の乗せ方も上手かったなぁと。
あと今回はデリシャスという食べる側のお話にフォーカスを絞って、作り手のお話は最低限にしたのも取捨選択が出来てるなって思った。そこまで盛り込むと尺足りなくなるし。
食をテーマとしながら本質的なドラマは「食を通してそれぞれ自己の内面と向き合うこと」になっていたのも話の深みと食一つで人間の人生は良くも、悪くも、こんなにも揺らいでしまうというのが
「食の重さ」を感じられ、身近な問題として捉えられた良きポイント。
あとナルシストルーをアレルギーでは無く偏食にしたことを褒めたい。
あとキズナスペシャリティの流すタイミング完璧。神。マジで好き。ラストのワザがカロリー超越しておなかいっぱいパンチなの死ぬほど好き。
あと最後まで敵に罪を償わせることをしていたのが良かった。ちゃんとやった事の落とし前は付けさせるのが偉い。
②もう少し観たかったな、惜しかったなって所
※ここからちょっと辛口です
まず、終盤のマリちゃんについて。
個人的には「もっとキャラクターを信頼していい」と思いました。
というのはゆいちゃんが挫折した時のオシャレの話とか、最終回でのプリキュアに憧れてた話とか、唐突な回想が多かったこと。
他の部分がしっかりした積み重ねを持ってやってたのにそこだけどうしても唐突感を感じざる負えなかった。
というか、あんな回想無くても、視聴者はマリちゃんという人間そのものの描写や積み重ねをかなりしっかりと感じているし、マリちゃんの言葉は説得力があるんですよ。だってこれまでしっかりと大人の視点で判断しプリキュアをフォローしてきた。そこには確かに重みと厚みがある。
不安になるのも分からなく無いんだけどマリちゃんというキャラクターは視聴者はもっと信頼しているし、そこは信じ切って良かったと思う。
あとは42話のサブタイトル、「キュアプレシャスVSブラックペッパー」にするならもっと明確にぶつかり合うシーンを入れても良かったなと。
ここで言っておきたいのは展開や話の流れについては不満が無いんです。寧ろ大好き。
なんだけど、キュアプレシャスVSブラックペッパーと銘打って出されたものとして見ると「あんまバトルしてないな…」と肩透かし感が出てしまうというか。
あのサブタイトルで通すならもっとしっかりとしたバトルシーンを確保した方が良いし、あの展開そのものの良さを大切にするのであればタイトルを「ブラックペッパーの怒り」とかぐらいに留めて置いた方が良かった。
そうすれば大好きなキュアプレシャスを一瞬本気で攻撃しようとした事への衝撃度が増してかえって展開として盛り上がったと思う。
あのサブタイトルにしたことで「ブラペがプレシャスを攻撃するんだろうな」という事が想定の範囲内になってしまった。
あとは最終回でのナルシストルーのケーキに対して「いちごだけでも食ってやるか」や本人の意志ではなくあくまで釣られての「ガンバルガンバルー」などナルシストルー本人に対しての解釈は大体一致していて大満足だったが、
マリちゃんがいちごケーキを差し出すシーンで「嫌いなら無理して食べなくてもいいわよ」くらいは欲しかったなって。それ以前に過去回(確か29話?)でナル様が捕まるときのシーンで「嫌いなものがあったらちゃんと言うのよ」的なこと言っていたからそこまで気にする程でも無いしまぁ別に良いかなとは思えるけど、
偏食なナルシストルーに「幸せのお裾分けよ」で出すのはもう少し別な台詞でも良かったなと思わなくも無い。序盤のここねちゃんと野菜スープ作る回ではちゃんと出来ていた訳ですからね。
それと、これはもう不正アクセスがクソに尽きるし多分しょうがないんだけど、メンメンだけ掘り下げがあんま出来て無かったな〜って。一応中盤辺りでメイン回貰ってたけど。
他の2匹が仲間入りをまる一話使って丁寧に丁寧にやってた分、らんちゃんとメンメンの出会いだけあっさりしてたり、
初登場では年に一度しか本気を出さない(火炎放射の説明にて)とかやる気を出さないとか言われてたのに、途中からエナジー妖精内で一番のしっかり者になってエナジー妖精を引っ張っていく役回りになっていたり、多分その辺りすっごい紆余曲折あったんだろうな…
結果的に落ち着いたキャラクター性はかなり好きです。麺系レシピッピに信頼されてるのも。
麺占いはよくわからないけど(え?
あとスピリットルーもメンメン程では無いにしろ、ちょっとナルシストルー捕まったあとの描写というか説明は欲しかったよ。急に分裂するのは流石に困惑したよ。スピリットルー自体は最初はナル様のコンプレックスの反映、ナル様捕まって以降は心無いロボット、最終回付近でナル様の手で心を取り戻す…と短いながらしっかり描写出来てたと思うけど。
いやでも時期的に恐らくこれは不正アクセスの影響だな。この作品最初からどこで何やるかかなり決めて作ってたっぽいし。不正アクセスがほんまにクソとしか言いようがない。
あと余談ではあるけど、拓海とゆいのラブコメもうちょい観たかった…とも一瞬思ったけどそれやるとゆいちゃんが早めに拓海の気持ちに気づいてしまい、最終決戦前に拓海に初めてキュンとくるシーンやその後のグータッチするあのエモさが失われてしまうのでアレはアレのままでいいな。
たくゆいは2次創作勢が熱心にやってくれるだろう、多分()
あの鈍感ヒロインさがゆいちゃんの魅力でもあるし。やっぱりあれはあのままで。