今回は対戦記録じゃなく映画の感想です。

Abemaでたまたま見つけた「人狼ゲーム」という映画を観ました。
今は無印、ビーストサイド、クレイジーフォックスまでしか見てなくて、
他も見次第、随時更新します。
 
※記事中では「占い師」「狩人」とクセで表現してますが、
作中では占い=「預言者」、狩人=「用心棒」です。
 
【概要】
何者かに拉致された高校生たちが「人狼ゲーム」のルールに則り、デスゲームを行う。
吊られた者は、生存者の手により殺害され、噛まれた者は人狼の手により直接殺害される。
ルール違反をした者は首の装置で即死。
生きて脱出するためにはゲームに勝つしかない。
 
・人狼ゲーム(無印)
評価:★★★★☆
役職:市民7、人狼2、占い師1
主人公:市民
 
〜良かった点〜
とにかく一番良かったのは役者の演技力。
人を殺さなければならない葛藤と、
自分が死にたくないという恐怖による、
阿鼻叫喚の嵐でとんでもない臨場感があった
自分がこのゲームに参加していたら…と考えると本当に絶望的な気持ちになる。
最初は殺人に反対していても、時間が迫れば皆血眼で処刑対象を取り押さえ、青酸カリで殺害する…その「死」への恐怖がよく表現できていた。
 
人狼ゲームと言う視点で見ると高度な頭脳戦はないが、誰が人狼か終盤まで普通にわからないし、ミスリードもある。
素人がデスゲームに参加させられてるという側面で見れば普通に及第点かなと。
人狼の暴き方も、あとから投票を見返すと、
初日から黒黒でライン切りするメリットが薄いから(しかも命が賭かってる状況で)、
この占い師は偽なんじゃないか?みたいな、
人狼の定石も取っていたので普通に勝負の出来としても悪くなかった。
 
行動にけっこう関係者同士の私情も入るから、
純粋な人狼ゲームというより、
B級映画のデスゲームという視点ぐらいが良いかと。
 
〜イマイチな点〜
主人公の非論理的なトロール行為が目立つ。
トロールというか、お前だけダダこねんなよみたいな。
友達が序盤にペナルティで死んだのはショックだろうけど、
その死体が外部の人が発見するかもしれないから外に置こうという皆の合理的な提案があったのに、
無意味な私情だけでその死体に布を被せる。
それ誰も得してないよね?
お前の自己満で全員の生存確率下げるな。
 
あと「自分が殺しに関与したくない」という自己満だけで誰にも投票しなかったり、
処刑対象を殺さないと全員死ぬのに、それを無意味に邪魔したり。全部非論理的
いや、友達死んでショックなのと優しい性格なのはわかるけど、
皆それを乗り越えて血涙流す思いで殺してんだよ
そうしないと自分もみんなも死ぬから。
辛いのはお前だけじゃないのに、
自分だけが殺しに関与したくないという自己中心的な考えが目立つ。
 
後半から急にちゃんと投票することになるけど、その気持ちの切り替えもどこであったのかわからない。
「もっとたくましくなれ」と言われたからかな。
まあでも後半はちゃんと推理で狼暴いてたし、
あんだけ殺しを嫌がってたのに自ら青酸カリ作るとことかは、前段がフリになってる分良かった気はする。
 
まああと細かいとこいうなら、カメラアイあるならもっと序盤で出せよ…
素人だとなかなか気づけないとはいえ、
あれさえあれば、占い騙りの狼の黒先と真占いが黒で見られてる市民不利盤面を
すぐにひっくり返せたんだけどな。
 
・人狼ゲーム ビーストサイド
評価:★★★★★
役職:市民4、人狼2、占い師1、狩人1、共有者2
主人公:人狼
 
〜良かった点〜
無印同様、役者の演技力が抜群で、相変わらずの臨場感。
とくに土屋太鳳がさすがと言わざるを得ない演技力
すでに2回同じゲームを繰り返していて、
躊躇なく殺人ができる狼としての狂気もちゃんと孕んでる。
皆で脱出しよう!とかできるだけ生存者を多く…みたいなナマヌルいキレイごとがなくて、
何よりも自分が生きる事が大切で、
それ以外は全員犠牲にしてでも生き延びるという精神性が清々しい。
普通人間はそうなるし、それでええんや。
 
無印より役職も多く盤面的には華やかになる。
今回は人狼が誰かわかった状態だが、
それ以外は誰が何の役職だが種明かしがあるまで本当に最後までわからなかったので
ゲームとしてもちゃんと面白い。
 
狼2人がそこそこクレバーで、相方を占い師だと仄めかしてCOさせたり、
その相方は本当に白位置にしか白出しせずに真目を取りに行くことに徹したりする。
でも私情で占い出て嫌いな奴に黒出しする奴が出てぐっちゃぐちゃになったり、
結局パッション沼真みたいなのが出てきて真目取られちゃったり割とありそうな展開。
 
狼1人が看破されての絶望的な状況から、占われたら終了の場面で占いを噛める。
→主人公の工作+占い騙りの相方が白出した位置に黒塗りして吊らせたり、
なかなかちゃんとした戦術で面白い。
 
最後に白噛んでこれで人狼勝ち確定だ!と思いきやまさかの狩人生存でGJ
震えました。
占い守らなかったのも、盤面じゃなくて私情で別のとこ守ってたっていうあたりも面白いところ。
 
でも結局土屋太鳳のクレバーな狩人騙りでいけるんでしょ?と思いきや、
初日GJ先に対して自分が狩人だと名乗り出てないというボロをちゃんと突かれてピンチになるのも無印にくらべて頭脳戦の部分がかなりアップしてる。
 
~イマイチな点~
正直今回はそんなにないんだが、最終的に人狼側の土屋太鳳が勝つけど、
実質的には試合には負けてるんだよね。狩人騙りで穴を突かれた時点で。
ただ実は勝ったところで脱出できないという絶望→死ぬ道を選ぶという邪道で勝利だから、
そんなに納得感はないところ…。土屋太鳳死んでも別に良かったんじゃね?と思う。
 
まあ視聴者の方で試合的には人狼負けと見て、
まだゲームが続く絶望感に押しつぶされたというデスゲーム映画的観点からの評価にすれば
さほど気になるほどでもないかな。
 
・人狼ゲーム クレイジーフォックス
評価:★★☆☆☆
役職:市民5、人狼3、占い師1、霊媒師1、狩人1、狐1
主人公:狐
 
〜良かった点〜
初日狩人回避して逆に疑われるみたいな
一応人狼ゲームの考察の定石は踏んでるところとか、
「人狼を吊ったら狐サイド勝利するから吊れない」みたいな狐村の定番もあって、
そこそこは楽しめるところ。
特にラスト1匹の人狼が誰かというあたりも見どころとしてはあるので、
めちゃめちゃ悪いってほどではない。
 
〜イマイチな点〜
1作品目・2作品目に比べて役者の演技が軽くて、臨場感に欠ける。絶望感もあんまり。
本当に死の間際に立たされた人間の演技って感じがしない、よくあるB級映画って感じ。
1・2作品目は本当に役者が凄かったんだなと思う。
処刑を運営側が行うので、「殺さなきゃいけない葛藤」の部分がなくなってる。
これなくす意味あったんですかね。あそこが良かったのに。
殺しの凄惨さがだいぶ薄くなってる。
 
あと主人公の行動原理に説得力がない。恋愛感情で動く奴がいるのは別に良くて、
そのために平気で人を殺すっていう狂気性自体は悪くないコンセプトなんだけど、
いかんせんただの一目惚れってのが共感性に欠ける。知り合いで良くね?普通に。
全員クラスメイトって設定にしてれば個人間の関係性も深まるから、
仲のいいクラスメイトでさえも恋愛感情優先で殺すっていう狂気を演出できたんじゃね?
あと好きな人とは別陣営なんだから一緒に脱出ってできなくね?
お前が勝ったらその男の子死ぬんだけどそれわかってる?現にそうなってるし
 
あとはゲーム面について。
主人公が狐=占われたら死ぬっておもろい設定なのに、
主人公が占われてないのがただの運でしかない。
主人公は占い騙りしてて、初日占い4人COっていうグッチャグチャの盤面で、
真占いは普通に初日から対抗占ってる+占い理由が明確にあるわけじゃないから、
主人公が実力で占いから逃れるムーブ全くできてない。そこを意識もしてない。
これ運悪かったら初日の占いで主人公死んでるよね。
狐ってどう占われないかが腕なのに、そこが出せてないのはちょっとなぁ。
途中で霊能騙りして真占いの信用を得たってのはあったけど、
問題はそれより以前だよね…。
 
最終盤面は人狼2、狐1、市民3だから村側負け確定っていう良い盤面で、
あとは人狼が村を誘導して狐を吊れるか、主人公が他に吊り先を誘導できるかって盤面
これ自体は普通に面白いんだけど、勝負を喫したのが「人狼側の自滅」ってのが…。
「仲間に裏切られたのが腹立つ」って理由で人狼が自滅してたまたま勝っただけ
それってどうなんすかね。主人公の実力で勝ってる場面がほとんどないから、
主人公が狐っていう面白さをあんまり引き出せてない。
 
あとどうせなら「狐は噛まれて死なない」特性を活かしてGJが出たと誤認させるみたいな展開あったら良かったのに。まず狐は噛まれても死なないって説明自体なかった気が…。
本物の霊媒と狩人すぐ死んでて全然活躍ないし、もっとうまい盤面あったような気が。
占い4COなんだから霊媒で破綻見れるし、
狐の特性も絡めるから狩人初日吊りとかなくてもよかった感。
 
それと「みんな縄で手を縛れば人狼は襲えなくてペナルティで死ぬ」とかズルだろ。
それアリにしちゃったら人狼不利すぎるわ。運営しっかりしろよ。

 

・人狼ゲーム プリズン・ブレイク

評価:★★☆☆☆

役職:市民3、人狼3、占い師1、霊媒師1、狩人1、共有者2、狂人1

主人公:狂人

 

~良かった点~

高度な心理戦みたいなとこは相変わらずほぼないが、

全員役職不明の時点で始まるので割と楽しめる。

あとちゃんと全役職が活躍してる。

 

主人公の役職が最後まで隠されていたから、

最後の最後に狂人だと打ち明けてPP仕掛ける

→実は市民で、人狼を炙り出そうとしていた

→実は狂人だったけど幼馴染のために利敵行為をしていた

という紆余曲折はまあ考えたなっていう気がする。

 

~イマイチな点~

運営がめちゃくちゃズボラ。

1億用意できる資金力あるのに、なんで監視カメラの死角なんかあるんだよ

普通に調理道具とか凶器があるから、死角で首の装置壊されたら終わりだろ。

それを想定できてないってアホすぎない?現に脱出はできちゃってるし。

脱出できた理由は「ただ運営がアホだったから」の一言に尽きる。

大人数拉致して殺人ゲームやらせるなんて大胆なことしてるんだから、

1人でも逃げて警察に駆けこまれた時点でヤバいだろ。せめて外も見張っとけや。

 

運営の判断基準が意味不明かつルールが曖昧。

投票時間ギリギリに投票→自分が投票棄権したからペナルティで死亡→再投票

って流れになんか勝手になってたけど、

そもそも1人が投票棄権した時点で全員死ぬとかじゃないの?

棄権した奴だけが死んで、しかもその後再投票になるなんてルール書いてなくね?

…と思ったら主人公が生きてました

→ルール違反なんで終わった後に今更全員処刑しますって、

運営グダグダすぎない?

だとしたら主人公が投票棄権した時点で全員死ぬべきでは?意味不明。

 

あと、あれ2:2で票割れたらどうなるの?今回たまたま割れなかったけど。

残り4人なら今後永遠に割れ続けると思うんだけど…。

そのへんのルールもあいまいだよな。ご都合感がけっこうある。

 

主人公が人狼炙り出しするのは良いけど、主人公死ぬ必要性なかったよねこれ。

正確には首輪壊れてるから死んだふりだけど、その作戦自体取る必要あった?

そもそも時間ギリギリで投票しないで時間余らせて、

最後に主人公が人狼に投票すれば良かっただけじゃね?

タイミング合わせなきゃいけないルールもないだろうし。そこが腑に落ちない。

 

占いCOの2人がグレー占ってそれぞれ黒が出てて、その片方が狩人確定、

黒出しどっちかに狩人がいるのは確定なんだからまず出させるでしょ普通。

黒出しの片方は主人公が守られた事に疑問を抱いてる=狩人じゃないんだから、

残った幼馴染の根暗の奴が狩人なのは大体見えるでしょ。

投票までの時点でなぜその視点が誰も出てこないのか…。

人狼もなんで狩人騙りしようっていう思いにならないのか…。

これ根暗の奴が狩人っていうのが出てたら主人公別に死ぬまでもなく狼わかるのに。

残った奴がバカしかおらん

 

あと個人的にはせっかく主人公が狂人っていう面白い設定なんだから、

良い奴と見せかけて利己的に人狼の味方してるってドンデン返しのほうが

おもろかったような。ハッピーエンドにしなくても別に良かったんじゃね?

 

今回はゲームの勝利よりも脱出が優先事項になっちゃってるから、

ゲームとしては微妙な終わり方。

しかも脱出の方法もただ運営がアホだったから成立しただけで、

今までのシリーズはそれが出来なかったからゲームで勝つしかなかったんじゃないのかよ。

だからこそどんな辛い決断でも、自分以外を殺さないと生き残れないから、

皆そうやらざるを得なかったわけで。その葛藤こそが醍醐味だったのに。

その前提条件が崩れてるのはダメでしょ。

 

相変わらず前作と同様で臨場感はそんなになかったが、

多分これは初期のガチのグロ路線を中和した結果だろうからそこはしょうがないかな。

あえてそこまでエグくないように路線変更したんだと思う。

 

・人狼ゲーム ラヴァーズ

評価:★★★★★

役職:市民5、人狼2、占い師1、霊媒師1、狩人1、キューピット1(2人の恋人を選定)

主人公:人狼・恋人(キューピッドから恋人に指名された時点で恋人陣営となる)

 

~良い点~

盤面の多彩さ、死亡シーンの臨場感、ゲームに対する絶望感、役者の演技、

シリーズ全体を通してのストーリーの進展を含めて個人的には現状1番評価は高い

 

主人公が人狼かつ恋人という面白い設定。

つまり人狼側の全滅じゃ恋人は確実に死ぬから、

恋人陣営が勝つためには市民を負けさせなきゃといけないという制約つき

しかも市民側のもう1人の恋人を襲撃されちゃいけないから、

恋人陣営の勝利が相当厳しい条件。

 

今回、人狼が人狼を襲撃することも可能なルールらしく、

人狼内で恋人を疑わせて自滅させるみたいな作戦も取れる。

主人公は人狼の相方にも疑われないようにしなければならず、

かつ吊られるわけにもいかない。

盤面の展開パターンが多く、シンプルに人狼ゲームとして、

過去作よりも相対的に高い水準にあると思った。

 

クレイジーフォックス、プリズンブレイクは運営側が吊られる者をサクッと処刑していたが、

今回からまた「生存者が処刑対象を殺害する」ルールが復活

このルールがある事によって自らの手で殺す葛藤が芽生えるので、良いと思う。

皆迷いながらも、結局は対象を取り押さえて殺害する阿鼻叫喚が好きなんですよね。

彼氏に裏切られて死ぬ霊能の子とかガチで可哀想だったし。

それでも彼氏にも罪悪感や霊能の子への思いがあるあたり、

このデスゲーム自体の理不尽さが浮き彫りになるのが、1作目2作目に通ずるものがあった。

人狼の襲撃も作業的じゃなくて、1人1人の死に際に時間を割いてたあたりも良かった。

何も悪くない女の子を撲殺とかだいぶエグい。

クレイジーフォックス、プリズンブレイクよりも役者の演技も迫真性に富んでいて良かった。

 

元運営側の人間も参加しており、運営側の実態もだんだんと明らかになっていくため

シリーズを通しての興味も惹かれた。

主人公の父親もまさかの運営側で、借金がかさんだために「生贄」システムにより、

家族である娘を差し出して賭けを続けてるらしい。

序盤に母の再婚相手の父親が仕事で借金作ったって話があったが、まさかの伏線という。

再婚相手の父親は実の娘じゃなくて、母親の娘である主人公を差し出すというゴミっぷり。

 

終盤、恋人陣営勝ち確定盤面で、もらう金額を山分けするから味方陣営減らすために、

最後味方であるキューピッドに投票するという冷徹な決断。

人情味溢れる優しい主人公とは真逆の「自分が一番得をする選択」をするタイプ。

そして何より衝撃なのが勝利後のラスト。

どうせ最初はいがみあってた恋人も最後は手を取り合うんでしょ?と思いきや、

急激に相方を屋上から突き落として賞金1億を1人占めするというまさかの結末

そして例の「生贄システム」により妹(憎い父の実の娘)を差し出すという復讐エンド

このストーリー的なドンデン返し感が☆5の理由です。

今度は主人公が運営側にも乗り込んでいくという今後にも期待できる内容。

(続編がこの話と地続きになってるかはまだわからないけど…)

 

~イマイチな点~

恋人の相方を噛ませないようにしたり、吊られないようにするという

お互いを庇うムーブがなくて

「グレーから噛み先選んでるのにたまたま相方が噛まれてない」

「大した発言してないのにたまたま疑われなくて吊られてない」というだけなのがちょっと。

もうちょっと恋人陣営として戦略的なムーブは見たかった。

特に赤い服の相方なんかえばってた割に大した活躍ないしな…。

 

真占いに黒出しされた場面も、結局村と村が自滅したから救われただけで、

自分たちではそこを奪回するムーブできてなかったし。

少なくとも相方の狼に疑われないムーブはできてたけど、

もうちょっと自らの手でピンチを脱する展開は欲しかった。

 

あとこれは揚げ足取りかもしれないけど、赤い服の恋人の相方、

最初は「人が死ぬ時にどんな顔をするのか興味がある」みたいなサイコキャラだったのに

「このゲームをやってる運営側を殺してやる」という正義感が行動原理だったから、

「いやお前運営側と思想同じちゃうん?」という多少の想いはある。キャラブレてない?
 

・人狼ゲーム マッドランド

評価:★★★☆☆

役職:人狼1、占い師1、狩人1、狂人7

主人公:狩人

 

~良い点~

今までとは打って変わり、いわゆる「逆村」という、人狼と村人の配置が入れ替わった、

人狼側の方が多いルールなので、新鮮ではある。

村側は1人の人狼を吊れば勝ち。

人狼側は人狼を吊られず、村人陣営と同じ人数になった時点で勝ち。

人狼は吊られないために先に名乗り出るが、当然占い師が対抗で出る。

人狼陣営は人狼を吊った時点で負けだから、人狼COを即吊りはできない。

つまり人狼は、狩人狙いで吊りと噛みを繰り返して、

対抗の人狼COした占い師を噛めれば勝ち確定。(人狼が絶対に吊られなくなるため)

 

人狼COの立場を利用して他の皆を奴隷みたいに扱ってる奴がいて、

裏をかいてこいつが占い師なのかなと思いきやシンプルにクズの人狼という。

…と思いきや実は人狼じゃなかったという。

真人狼潜伏パターンなので、一応ゲーム的にも見どころはあったかなと。

 

前作に引き続き「生存者が処刑を行う」というルールなので、

殺害シーンの阿鼻叫喚や迫真性は健在。

 

そして何より衝撃なのは「主人公死亡エンド」という今までにないオチ。

人狼に襲撃されたところで、リモコンで頭部を殴って自殺。

占い師のスカーフを事前に渡していたことと、

襲撃される少し前に、占い師に対して主人公が

「人狼がナイフの柄で撲殺するかもしれないから」という理由で、

柄がボコボコになったナイフを占い師に渡している。

翌日、死因は「撲殺」=ナイフの柄が傷ついている占い師の方が真人狼とされ、勝利。

「命を賭けて占い師を守った」という、まさに用心棒の仕事を果たしたという終わり方。

これはさすがに予想していなかった。

 

~イマイチな点~

主人公は序盤から割と人狼に反抗的な態度取ってたし、

GJ出た後も人狼に楯突いてたから、

最初に王様気取ってた偽人狼は、まずそこを村陣営のラインと捉えて殺さないかね?

主人公が残されてるのが違和感

しかも吊り対象が選ばれてる理由がクソ適当だから、

誰も論理的に狩人吊りを狙ってない

お前が嫌いだからとかそんなんで吊りを選んでる。狩人狙えよ。

主人公はもっとバチバチに人狼に協力していく態度とか見せた方が良かったんじゃない?

「戦略的に吊り対象から外れる」というのが狩人のムーブだと思うんだけど。

 

役職が割と少ないから他作品に比べて展開が少し単調。

占いが敵側だから占い結果発表とか、パンダみたいなこともないので、

ただシンプルに人が減っていくだけっていう感じ。

盤面の変化というと偽人狼が噛まれて、真人狼が現れたとこぐらい。

ちょっと盛り上がりに欠けたかな。

 

命を賭けて占い師を守った、という演出自体はとても良いと思うが、

そう思うに至るほど2人の間での友情は描けてないかなと。

あくまで陣営的な味方でしかないので、そこまで思い至った経緯が不明。

どうせなら最初から友達とかにしておいたほうが、そこの説得力は出たと思うが。

 

あと「死体に変化を加えてはならない」ってルールなのに、

安易に凶器を死体に刺してたの、良いんですかね…。

違反の可能性あるからリスキーすぎると思うんだけど。

 

・人狼ゲーム ロストエデン(ドラマ)

評価:★★★☆☆

役職:市民4、人狼2、占い師1、霊媒師1、狩人1、狂人1

主人公:市民

 

~良かった点~

ドラマシリーズなので映画版よりも尺が多く、今までのシリーズと違い、

ゲームを生き抜くだけでなく、なぜそのゲームが行われたかという謎を暴くという面もある。

今回はデスゲームの現場となる校舎の外部も描かれる。

ただのギャンブルの対象だった今までのデスゲームと違い、

クラスの中でのトラブルが今回の事件を巻き起こしたらしく、

それを暴いていくという視点も今までと違うポイント。

主題歌とともに次回へ引いていく演出も毎回良い。

 

参加者のほとんどが素人の中、

黒に黒出しされたド素人だった主人公がちゃんと盤面整理して、

味方を探し当ててチャンスを手繰り寄せるところはよかった。

実力でちゃんと勝ってるから。

しかも自分に白出しした占いが実は狂人で、

すでに真占いがいないという絶望的な状況。

そこで狂人を利用するという作戦に出たり、

白2吊りだからPP懸念がある点、パンダ吊るなら占い吊りでも良い点など、
ちゃんと村を説得し、勝利を手繰り寄せていた。

過去作は割と運とか勝手な仲間割れでどうにかしてきた部分が多かった分、

着実に作戦勝ちできるのは人狼ゲームとして良い部分。

 

~イマイチな点~

これが本当に理解できないというか矛盾だと思うんだけど、

最終日にラスウル候補が2人いて、そのどっちも狩人COするんだけど、

真狩人は2日目にグレーだった主人公を守ってるんだよね。

なのに真狩人はその主人公に黒出しされた時に、黒かどうか迷っちゃってるんだよ。

真狩人ならお前は主人公が白ってすぐわかってるはずなのに、

何を泣きわめいて迷ってるんだ…?

自分が黒出しされた時にも主人公のこと黒呼ばわりしてたし…大丈夫ですか?

しかもその主人公が吊られるかもしれなかったのに何でお前狩人COしないんだよ。

噛まれる危険あるかもしれないけど、どっちみち主人公吊られたらほぼ村負けだぞ。

 

議論時間の時、ほぼ感情論で投票先が決まってるというか、

あまり論理的な議論が行われていない

主人公も「私は村!お前は狼!」しか言わない典型的な初心者だし。

人狼経験者がけっこういるのに、白2吊り後にパンダを色見する発言が出たり、

ちょっと盤面整理できてないんじゃないかなという印象はあった。

人狼ゲーム自体を楽しむというより、クラス内で起きた事件や今回の黒幕の考えを追う

ミステリー的な面が強かった。

 

主人公は人狼に対して「人殺し」と非難を浴びせていたけど、

たまたま人狼のカード引いたから殺さざるを得ないだけの相手に

そんなこと言う必要ない

お前も人狼のカード引いたら同じことするはずなのに、人狼も被害者という観点がない。

また、2日目に吊られた奴も「自分からゲームに参加した」って理由で投票してたけど、

自分からゲームに参加した奴は5人いるんだからそれが狼である根拠になってないし。

もうちょっとちゃんと考えたら?と思う。

あそこはグレーを吊る盤面だから別に吊り先としては悪くないんだけど、

あまりにも感情で決めすぎている。

 

黒幕の正体も意外性はあったけど、急に事実が明かされた感じで、

そこをほのめかす要素がなかったような。

事実がわかっても「ふーん…」って感じになってしまった。

 

さすがにテレビドラマなので、映画版ほど過激な殺人描写はなかったがこれは仕方ないか。

 

・人狼ゲーム インフェルノ

評価:★★★★☆

役職:市民4、人狼2、占い師1、霊媒師1、狩人1、狂人1

主人公:人狼

 

~良かった点~

ドラマ「人狼ゲーム ロストエデン」の続編。

ドラマ版が前半戦、映画版が後半戦を描く。

デスゲームが1度で終わらないのは無印からわかっていたが、

後半戦まで描かれるのは今作が初。

ドラマ版と同様、警察が事件を追う視点もあり、ゲームを管理する人間(黒幕?)も登場。

 

2回のゲームを通して主人公の成長を描けた点が評価ポイント。

前半戦ではあれだけ人殺し呼ばわりしていた人狼を、今度は自分がやらなければならない。

いつまでもウジウジ言ってるんじゃなくて、割と早い段階で勝つための行動を始め、

自ら霊能を騙る。成長が著しい。

対抗の霊能を吊る→対抗の霊能が吊ろうとしていた相方を白塗り、と言った風に

自分目線から自然な視点で合い方を庇う戦術ができたのも良かったね。

よく考えたら主人公が人狼で、ちゃんと人狼として勝てたのってこれが初か。

土屋太鳳は実質負けてたし。

 

対抗の霊能を処刑する時、自ら手を下すシーンもあって、

やっぱり生きるために人を殺してでも勝ち抜くという決意をするところが、

このシリーズの醍醐味だと思う。

最後の処刑後包丁を投げ捨てて無言で立ち去るのも、

人狼として覚醒した描写として良い。

最初は人を殺したくない主人公と、手段を選ばない相方って構図だったけど、

最後には好きな男を殺したくない相方と、殺す主人公って構図に逆転。

武田玲奈、最初はどんなもんかいって感じで見てたけど、思ったよりいい演技だった。

 

狂人だと思った奴がウラナイトだったりで白確が一気に2人できちゃったりと、

ピンチな場面もあり。

ウラナイトなのに対抗占い守ってない+ならなんで占い出たんだってのはあるけど。

こいつの場合まあ好きな女しか守らないわなっていう納得感はある。

主人公と友達、相方の女とその思い人がちゃんと敵同士だから、

ナマヌルい友情エンドみたいなのがないのも良い。

他人への思いよりも結局自分の命を選択するというのが人間の性

友達が死ぬ時も何もしないで見てるだけだし、お涙頂戴みたいなのも全然ない。

 

テレビ版とは違い、処刑対象を生存者が殺害するルールが復活。

さすがにテレビじゃやれないよね。ただ他シリーズよりは凄惨さは低かったかな。

割と作業的に死んじゃうので。

 

~イマイチな点~

他シリーズに比べてそこまで目新しいものはなかったし、盛り上がりに少し欠けた印象。

相変わらず頭脳戦と言えるような推理はなく、勢いと感情だけで処刑先を決めてる。

ちゃんとしてるのは人狼側2人の黒塗りだけ。市民側がポンコツすぎる。

前半と同様テンプレ村なんだから、盤面の変化をつけたりして、

もうちょいゲーム面での盛り上がりがもっとあれば良かった。

 

警察がけっこう簡単に運営側の人間に辿りつけちゃったんだけど、

それができるならもっと前の段階で突き止められなかったんですかね。

他のシリーズでもネットから来たって人多かったわけで。

 

友達のルナちゃんともっとバチバチにやりやってもよかったかな、どうせなら。

結局向こうが自分を信用しちゃうから、そこを利用して勝ってる部分がでかいし。

信用させたのはどんな手を使ってでも勝つ覚悟から迷いが消えて、

「嘘をついてる顔」じゃなくなったってのはあると思うけど。

あと、どうせなら相方の女が水谷君を好きだった理由まで教えてほしかったな。

そこに共感性がないから、そこまで感情移入はできなかった。

 

・人狼ゲーム デスゲームの運営人

評価:★★★☆☆

役職:市民4、人狼2、占い師1、霊媒師1、狩人1

主人公:運営

 
~良かった点~
初めて運営側にメスを入れた作品。
今まで不透明だった運営側で何が行われているのかが描かれる。
主人公は運営側で、参加者の中に家庭教師を担当した女の子がいて、
その子を助けるために奮闘するという内容。
正直最後の方まで評価は★2止まりだったけど、
実は運営メンバーは全員、身内がゲームに参加させられているという真相が発覚
「上からして見れば、参加者も運営側も同じ」というセリフを思い出し、
運営メンバーも結局は金持ち共の遊びの対象だったというオチが、評価を1つ上げた。
いかにこのゲームが残酷なもので、それを支配してる層がどんな人間なのか、
更に興味が沸く終わり方。次回作でそのへんに切り込んでくれないかな。
 
人狼熟練者が多く、過去作に比べると初日から割と考察しており、
ただの感情論で吊り先決めるよりは幾分かまともだった印象。
メンツのまともさで言えば歴代で一番かもしれない。
主人公も、霊能騙り→狩人COから
「君たちを守れたら自分が狩人と証明できる」と黒へ縄を寄せ、
それに対して狼が乗っかり、ライン切り。
ゲームの展開的には割とまともだった。
運営側が助けたい女の子に全部役職教えちゃうんだけど、
かといって勝負はその子の力量次第だから、勝負の行く末自体は一応見れる内容。
 
余談だけど、佐竹さん役の朝倉ふゆなさんって人、声がめちゃめちゃ良い。
あの感じの顔と声で早口でまくし立てるドS系なのがヤバい。
 
~イマイチな点~
公平な人狼ゲームが見たいから、
運営側が誰かを助けるために奮闘すること自体、こっちは求めてないんだよね…。
運営視点と助けたいっていう設定でいくなら、
主人公がゲームに参加して、公平な勝負で助ける方向にすればいいのに。
シンプルにインチキしてるだけだから、こっちとしても盛り上がりに欠ける。
そこまでして助けたいなら、3か月家庭教師やってただけっていうバックボーンもどうかと。
もっと親密な仲って設定じゃダメだったのかね。
かと思えば他の運営メンバーも情報を漏らしていたという。
こういうのありえるんだからもっと厳しく取り締まれよ。
しかもまーた首輪壊されてたし。運営がズサンすぎる。
 
今回はどちらかというと運営メインだからテンポを重視したいのか、
殺しが電流で一撃で即死する。死に際の絶望感があまりない。
苦しんで死なないだけ他シリーズよりマシじゃんとすら思えてしまう。
 
あくまでも使いっぱしりに等しい運営の仕事とか内情が少しわかった程度で、
黒幕そのものやゲームの核心に触れてるわけじゃないから、思ったほど進展もなかった。
 
…とりあえずシリーズ通しての感想はここまで。シリーズ自体は割と肯定的です。
次回作もあったら見たい。過去作の主人公がまた出てくるパターンとかあったらいいな。