「地の縁」というものが希薄になり、
リアルな人間関係でも、
相手が信頼できるかどうか、信頼関係がいつまで続くかわからない。
都会を中心に、他人行儀がデファクトスタンダードとなる中、
表面的な人間関係しか生まれなくなる。

そういう中で、付き合う相手を、
自室にいながら探すことのできるSNSが利用者数を伸ばしている。
不特定多数の中から「良し」と思われる相手とのマッチングを支援するため、
AIが活用されるようになる。
コミュニケーションビジネスはますます隆盛。

このままだと、眼力や嗅覚が衰えるのは目に見えている。
しかし、この流れは止められるか。

ネットやAIの力で、本当に信頼できる相手と出会えるかなんて、
百パーセント、イエスであるとは言い難い。
だけど、所詮リアルな人間関係であれ、相手が信用できるかは不確かだ。

それならネットやAIに頼った方がいいかもしれない。
ただ、ネットの世界だと、タチの悪い罠にはめられる可能性も増大する。
しかしやはり、その利便性に敵うものなし。

要するに、コミュニケーションビジネス依存はやめられない。
ただ、ハイリスクだけは覚悟しなければならないということだろう。

だが、気になって仕方がないことがある。
リスクを予見、予想できる知識や力のある人はまだしも、
そいうい力のない人々、力をつけようにも流れの速さについていけない人々は
餌食になるのを待つしかないのか。

還暦を過ぎてますますそう思う。