No15のサウンドボックスは、裏の赤ゴムの方のマイナスネジを回して分解しようとして、無理に開けてゴムの緩衝材を壊してしまうケースがとても多いです。そこは分解ではまず触りません。
今回は、裏側は問題ありませんが、振動盤を押さえるゴムの輪が硬化して、音が悪くなっています。分解して交換する事にしました。
振動盤は裏からトンボにビス留めされていますので、まずは、保護の塗料を剥がし液で落として、慎重にビスを外して、次に表のトンボを固定した左右のネジを緩めて、中のベヤリングを無くさないように、取り出して、トンボを外しました。その後に、表のマイナスネジを緩めて、カバーを外しました。
ここから、振動盤を傷つけないように、固着を溶かしながら硬化したゴムを外しました。焦ると振動盤を破ってしまうので、要注意。
両側を締める前に、裏からトンボ押さえの小さなビスを先に留めて、音を出しながら、締め加減を調整しました。
程よい加減はいつも難しいですネ。
調整が完了したら、ビスの保護の接着剤を盛って終わりです。
これは、普通に襖貼り用のデンプン糊を使っています。
あとは、頭丸の8日巻きの置き時計を入手しましたので、こちらもメンテナンスをしました。
アンチモニーの工芸品は、東京都の伝統工芸でサビのない、燻し銀の枠は時代を経ても色褪せない落ち着いた雰囲気が良いと思います。
アール・デコ様式のモダンなデザインがいつもながら私の好みなんです。
テンプの芯を研磨し、回転のバランスを調整して戻しています。
こちらは、大正末から昭和初期の頭丸の精工舎の8日巻きの置き時計です。木製の風格あるデザインです。機械の動きはいいようですので、簡易洗浄した後に、テンプの芯を研磨し、同様に回転の調整をした後に戻しています。
両方ともに、精度は日差2分以内に収まっています。実質はもっといい精度が出ています。
1日巻きの目覚まし時計より精度が上の印象があります。いい感じに復活してくれました。
まだまだ、別に時計も修理途中ですが、また次にご報告しますネ。