ステキな店づくり。



ある所の居酒屋。
魚をメインにした料理を、低価格で、でも手作りで作ること、
その料理を掘り下げていくことでお客様に支持され、店舗を増やしていきました。
でもこの不景気。
少しずつ売上は下がり、当然利益は下がっていきます。
そこでT社長は社員に言い渡します。
「今はどれだけ頑張っても客数、客単価は上げられない。だったら粗利益をもっとあげて、去年よりいい成績を残そう」、と。
それから、会社の取り組みが始まります。
まずは、無駄を省くこと。
今まで捨てていた、鰹や昆布の出汁ガラをかわかしてふりかけにしてみたり、
野菜くずをうまく料理にいかそうとこころみてみたり・・・。
だんだんそれがエスカレートしていきます。
魚は安いものを仕入れることが増え、イカは剣先いかが槍いかに、それがするめいかになり、お造りの船盛りにいれていた種類も10種から6種に減り、果てには冷凍のカツオ、冷凍の子ダコを使うようになってしまいます。
料理もだんだん手造りではなくなっていきました。
魚の煮付けも、業者に頼んでそれ専門の調味料を作ってもらい、あとはさけと水で割るだけ。
鱧はおろして骨切り(メッチャ技術が必要)したものを魚やに届けさせます。
ふぐもおろして掃除してあるものを仕入れるようになりました。
所詮は流れ作業でされる仕事、当然店の板前たちが必死で心をいれた仕事とはまったく仕上がりが違います。
もっと大事なことは、そこで頑張ってきた人間のモチベーション。
追われても、しんどくても毎日毎日頑張って料理してきて、それが急に下ろされた魚に代わる。
こんなものを今日うらなくてはいけない。
まるで自分が作りましたよ、とゆう顔して。
それにより、利益はなんとか確保されました。
しかし、所詮は負のスパイラル、原価を下げることで根本からの解決になるはずがありません。
ついには社員に払っていた寸志(ボーナス)もなくなりました。
あせったT社長は新聞折り込み、チラシの配布、ポスティング、ビールの半額セールなどをして、新規のお客を増やそうとします。
でもやりがいをなくしかけている社員、満足に教育もされていないバイト、
加工された商品で、はたして新しいお客様をこころから喜ばすことはできるんでしょうか?
ある店舗の店長は、何人客を入れるか、それしか考えてません。
どんどんお客様を案内して、自分はそのあとは注意してまわりを見るわけでもなく、ホールが回っていなくても気づきもしません。
ひどい時には案内されたお客がおしぼりも出ずに放置されていました(笑)
こんな話は笑い話みたいですが、飲食業ではよくあることだと思います。
利益が上がらないために焦り、根本を見失い、目先の施策しか思いつかなくなる。
お店としての目指すべきサービスは?何が強みなのか、何が弱みなのか?
十年後は、五年後はどうなっていたいのか、そこから逆算したら一年後はなにをしないといけないのか?
今は何をするべきなのか。
みんなで話し合う、理解し合う、そしてそれをお互いに共有しないとたった一人のお客さんすら見えなくなってしまうこともある。
そう想います。
なーさっさん。