気ままによがってランキングぅ。 ~ 暑いですねぇ、てなわけでちょっと涼んでみませんか?編 ③ ~ | つっちーの“ひとりでよがって”

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よかったらあなたもよがってね。

みなさんこんばんは。
伊藤潤二作品ランキングぅは今回で最後、残すは4位から1位までとなります。
10位から5位までの作品で伊藤先生のホラーな世界に引き込まれたあなた、上位4作品はさらにグレードが高い良作ぞろいですよ。
ではまいりましょう、ネタバレごめんなさい。

第4位: 『阿彌殻断層の怪』
巨大地震により山の斜面に生じた断層には、人の形をした無数の穴が開いており、たくさんの見物客が訪れていました。
ある日、一人の男性が「自分の穴を見つけた」と言い、証明するために穴の中に入っていきますが、一日経っても出て来ません。
翌日から何かに取り付かれたように穴に入っていく者が続出、ついに主人公も自分の穴を見つけてしまい・・・。
数か月後、山の反対側にも人型ではない亀裂のような穴がたくさん生じていましたが、調査隊員が穴をのぞき込んだところ、そこには!!
実際に『自分の穴』があったとしたら、誘われるように入っていくのもうなずけますが、あのラストシーンを見てしまうと、自分の穴を発見することがないことを祈らずにはいられません。

第3位: 『ファッションモデル』
大学の映画サークルに所属する主人公の男子学生、ある日喫茶店で何気なくめくっていたファッション雑誌で見た不気味なモデルが頭から離れず、苦悶の毎日。
そんな中、コンテストに出品した作品がグランプリを受賞したことから、次回作のヒロインを公募したところ、なんと応募者の中にあのモデルが!
「プロのモデルを出演させれば箔が付く」と考えたメンバーの独断で、ヒロインとは別にそのモデル、「淵さん」も出演させることになりますが、普通の映画を撮るつもりだったのに、撮影現場ではホラー映画さながらの惨劇が繰り広げられるのでした。
「淵さん」のトラウマになりかねない強烈なインパクトだけでも、ホラーとしての質は極上です。
ちなみに、別作品にも淵さんと思われるキャラが何度か登場しており、そのうち一つでは双一くんとまさかの・・・。

第2位: 『脱走兵のいる家』
舞台は戦時中、脱走兵を家にかくまった友人が、脱走兵と良い仲になった妹の一人を自分の言動が原因で死なせてしまったことを逆恨みし、終戦後8年間もの間、まだ戦争が続いている風を装い、残る2人の妹と他の友人も巻き込んで脱走兵に復讐するお話。
始まりから8割程度はギャグ要素満載でホラー要素は微塵もないのですが、ラスト6ページ~3ページで衝撃の事実が発覚します。
そして最終ページでは、それまでの展開がウソのような、身の毛もよだつ恐怖感を味わうことに。
それまでの8年間はおろか、その後も一生をかけて復讐し続けるつもりが、復讐のふの字も果たせていなかったどころか、こんなガクガクブルブルな展開が待ち受けていようとは・・・。
彼らのその後が非常に気になります。

さてさて、いよいよ1位の発表です。
猛暑もなんのその、背筋がゾクゾクしまくりなその作品は・・・。

第1位: 『路地裏』
とある民家に下宿するようになった主人公、その家には可愛い娘がいて、楽しい下宿生活が遅れそうだとウキウキ気分。
しかしある日、民家の隣にある高い塀と有刺鉄線で囲まれた路地裏から子供が遊ぶ声が聞こえてきたため、ベランダから壁を伝って様子を見たところ、そこには誰もいませんでした。
別の日、以前その部屋に住んでいたという男に遭遇し、男が塀の中で見た恐ろしい体験と、あの部屋には塀の中を見ることが可能な窓があるはずだということを聞かされ・・・。
小学生の頃か中学生の頃に姉が持っていたコミックで読んだのが最初。
めちゃくちゃ怖かった記憶があったため、当時はビビりだったから怖かったのだろうと思いながら大人になってから再読したところ、普通に怖かった。
ギャグ要素もほぼなく、複数の霊が壁から浮きあがってくるラストは秀逸。

というわけで、伊藤潤二のホラーな世界へのご招待編をお届けしました。
暑さはこれからが本番、伊藤先生の作品は紹介した以外にも怖くて面白いものばかりですので、夏のお供にぜひどうぞ。

ではまた。