みなさん、こんばんは。
冬季ツチリンピック2026もいよいよクライマックス、今回、次回の2回にわたり恒例の香港その他中華圏映画特集をお届けします。
感の鋭いコアなつっちーファンの方は、前回の前書きに仕込んでおいた伏線に気づかれたことでしょう、まずはカンフー映画3連発です。
カンフー映画といえば、わたしと同世代の方はブルース・リーの『燃えよドラゴン』、ジャッキー・チェンの『ドランクモンキー酔拳』、リュー・チャーフィーの『少林寺三十六房』、ジェット・リーの『少林寺』などを思い浮かべるのではないでしょうか。
どれもこれも名作中の名作、テレビの画面に映し出される手に汗にぎる攻防に夢中になるとともに、カンフースターたちに憧れたものです。
酔拳でジャッキーが演じる黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)は実在する武術家で、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズでジェット・リーやチウ・マンチェクも演じた有名人。
また、ジェット・リーは『SPIRIT』でも霍元甲(フォ・ユェンジャ)という実在の武術家を演じており、この方は『ドラゴン怒りの鉄拳』でブルース・リー演じる主人公の師匠としても描かれています。
ワンチャイシリーズでジェット・リーと格闘したことがあるドニー・イェンは、その外伝作品でウォン・フェイフォンの父親役を演じています。
なんちゃってドニー一派としては、ドニーをはじめ多くの俳優が演じた葉問(イップ・マン)は最も心酔する実在人物。
カンフー映画と聞けば無条件にワクワクするわたしですが、それが実在の武術家を描いたものだと聞けばなおさらです。
そしてこのたび、前述の実在人物3名が共演するというデラックスな映画を鑑賞しました!
ではその映画からご紹介しましょう。
必殺のネタバレ拳が炸裂しますよー![]()
『カンフーリーグ』(中国/プライムビデオ)
カンフー界のレジェンドたちが現代にタイムスリップして夢の共演ですと!?
これは素晴らしく胸が躍る設定だー!
そのメンツはというと、チウ・マンチェク演じるウォン・フェイフォンに、フォ・ユェンジャ役がアンディ・オン、イップ・マンにはデニス・トー、そしてチェン・ジェン。
えっ、どなた様?
ひとりだけ思い当たる人物が頭に浮かばず、鑑賞後に調べてみると『ドラゴン怒りの鉄拳』の主人公がまさにその人らしい。
これは不覚、架空の人物だからと名前までは頭に入れておりませんでした、失礼しましたー!!
なるほど、それでブルース・リーのそっくりさん俳優であるチャン・クォックワンが演じているうえに、フォ師範の弟子という設定なのか。
しかもところどころブルース・リーそのまんまだし。
このとおり、ひとりだけ架空の人物が混じっているのはちょいとひっかかりますが、肝心なのは彼らが繰り広げるガチンコバトルです。
これがもう、カンフー映画史上に残る名勝負で我が格闘魂も大満足・・・などということはなく、4人が拳を交えることはほぼありません。
リーグという邦題からしててっきり対戦するイメージだったのですが、リーグ(league)とは「連盟」「同盟」などを意味するらしい。
つまり、チームアップというわけ。
この展開にはガッカリしつつ、ならば熱い共闘で燃え上がろうと気持ちを切り替えたものの、相手の動きをAIで分析するアーマーを装着したラスボスにチェン、フォ、ウォンが立て続けに完敗する始末。
なぜかひとりだけ格闘シーンが描かれないイップにいたっては、なんと偽者で逃亡犯だという事実が発覚。
ぬひゃー、イップ・マン推しのオイラにゃ拍子抜けもいいところだー。
そんなわけで、カンフー面では期待外れに終わりましたが、ウォンの婚約者をめぐるドタバタは大どんでん返しもあっておもしろい。
そして、ジェイ・チョウのそっくりさんが一瞬だけ登場するなど、コメディ映画としては純粋に楽しめました。
なお、チェン・ジェンのことからも推測できるように、タイムスリップものというよりは、『今夜、ロマンス劇場で』のように映画の世界から現実世界に抜け出してきた設定だと思われます。
してみると、デニス・トーは過去にイップ・マン役の主演映画があったけれど、不評だったから偽者呼ばわりされているのかと勘ぐってしまうなぁ。
やっぱイップ・マンはドニーだよね!(デニスさん、ごめんなさい。)
『ファイナル・マスター』(中国/ゲオオンラインでレンタル)
『ラブ・オン・クレジット』で妹チーリンの彼氏役を務めたリャオ・ファンが主演ということで、ゲオオンラインでとりあえずカートに入れておいた映画。
しかしながら、優先的に借りたい映画が他にたくさんあったためなかなか出番が回ってこない状況が続いていたところ、我が家でプライムビデオを観れるようになってから本作が配信されているのを発見。
ところが、ここでも他の映画を優先していたのが災いし、まもなく配信終了に。
そんな紆余曲折の末、ようやく今回ゲオ様からお借りするに至りました。
リャオ・ファンはわたしの知る限りアクション俳優ではなく、今まで見た映画では銃器を用いずに人と戦うシーンなんて、せいぜい喧嘩シーンがちょろっとあったくらいではなかろうか。
なので最初から格闘レベルには期待していなかったものの、それにしても迫力の無さがちょっと・・・。
彼は渋い、シブいんだけど、やはりカンフーバトルは経験値が大きくものをいうものだと思います。
加えて、リャオ・ファンに輪をかけてアクションのイメージがないチン・シーチェが対戦相手を務めるとは。
シ-チェおじちゃんは見た目からご高齢だと勝手に決めつけていたのもあってなおさら不安だったのですが、案の定盛り上がり一切なしの格闘シーンに仕上がっておりました。
また、リャオ・ファンはイップ・マンでおなじみの詠春拳の達人という設定ですが、短い刀を使って戦います。
ドニー版イップ・マンでも刀を使った勝負があるとはいえ拳法が主であり、対象的なスタイルに終始戸惑うことに。
往年のカンフースター、チェン・カンタイが出演していることと、途中から主要キャラ化するワンちゃんがめっちゃ愛くるしいうえにいい演技をすることだけが救い、という映画でした。
そんな本作ですが、ネット上のレビューでは意外と高評価。
通好みの作品という意見もあり、娯楽映画から育んだに過ぎないわたしのカンフー愛がいかに薄っぺらいものであるかを痛感しました。
カンフー通を自負している方は見逃せない一本かも?
『太極神拳』(香港/ゲオオンラインでレンタル)
『インビジブル・ターゲット』では極悪非道のラスボス、『SPL 狼よ静かに死ね』では冷酷無比な殺し屋。
本作の主演であるウー・ジンを認知したのがこれら2作品であり、格闘シーンの無双っぷりも相まって、わたしの中で彼は長いこと悪役の印象が強い人でした。
しかしながら、近年の作品では善人役の主演も多く、自身の監督&主演映画が中国映画の興行収入記録を塗り替えるなど、中華圏で最も人気のある俳優のひとりです。
準主役を務めた『MEG ザ・モンスターズ2』はてっきりハリウッドデビューだと思っていたら、わたしの中華圏映画鑑賞事績である『香港映画でよがる』をチェックしたところ、『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』の暗殺者役という記録があり、そういえばチョロっと出演していたことを思い出しました。
一方、本作はウー・ジンのスクリーンデビュー作だそうで、若くて初々しい容姿、爽やかで笑顔満載な演技、そしてコミカルな作風も手伝って、本作で彼を認知してから前述の2作品を鑑賞していたとしたら、逆に「うわぁ、悪役まったく似合わないねー、この人。」という感想を抱いたのではなかろうか、と思いました。
ジェット・リーの後継者と言われただけあって、本作はコミカルでカンフーレベルが高いワンチャイシリーズを彷彿とさせる映画でたいへんおもしろかった。
タイトルに現れている太極拳の他、蟷螂拳や弁髪を自由自在に操る弁髪拳など、ウー・ジンが多彩な武術を披露してくれます。
父親に隠れてこっそり武術の書物を読んで覚えた独学にすぎないのに強すぎるのは置いといて、武術界最強といわれるその父親に挑戦して敗れ、数年後には成長した息子のウー・ジンに挑戦するも歯が立たないという、親子2代にわたるかませ犬的キャラを演じたビリー・チョウが、アヘン密売を目論む西洋人とのラストバトルで「銃を使うとは卑劣だ!」とウー・ジンの加勢に現れて活躍するのはわたし好みの展開でした。
そして本作最大の収穫は、思いがけずヒロイン役でクリスティ・チョンが出演していたこと。
彼女もまた若く、そしてめっちゃ美しい。
そんなわけで、大満足な映画でした。
以上、カンフー映画3連発をお届けしました。
次回、いよいよ冬季ツチリンピック2026も感動のフィナーレを迎えます。
閉会式まで見逃せませんよ!