皆さんは「青は藍よりいでて藍より青し」という「ことわざ」知っていますか?
「読み」は「あおはあいよりいでてあいよりあおし」
「意味」は「習い手が、先生や師匠、学んだものの学識や技量を越える」という意味です。
「藍」とは、染料に使う藍草のことで、藍草で染めた布は藍草より鮮やかな青色になります。
このことを「弟子が師匠を越える」という意味に当てはめているのですね。
元々は中国の「荀子の言葉」で、人は学ぶことや努力することによって、
持って生まれた素質や宿命、個性や運命さえも変えることができるというお話なのです。
~ノーベル賞受賞者 大隅良典さんの願い~
話を少し変えます。
ずいぶん前の日経新聞に「ノーベル賞受賞者 大隅良典さん」のインタビューが掲載されていました。
そこに気になるコメントがありましたので、ここで引用させて頂きます。
以下「大隅さんのコメント」(一部割愛)
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ボスを超える気概
昔の研究者は資料が少なかったので、先々を自分で考えることができた。
今は最新情報がすぐ入るのだけれど、それを読むだけでは新しいものは出てこない。
人は情報に惑わされていると、いつまでも一人前になれないのです。
いつの時代も、新しい学問ができるときは若者が自由に発想している。
私の学生時代、周りにはボス(上司や先生)を超えたら新しいものが生まれるという気概(責任感)があった。だけど学問は成り立ってしまうと、権威性が生じてしまう。
はたして今、ボスを越えようとするものがどれだけいるのだろうか・・とても気になる。
確立された学問は打破する気概がないと太刀打ちできなくなる。
例えば会社や組織でも同じような人ばかりだと、必ず行き詰まりが起こる。
同質の人だけでは、つまずいたときに収拾がつかなくなるのです。
一つの研究室でどれだけ異質な人を抱えられるかが大事。
人と違うことの方が楽しいと若者が少しでも考えてくれたらそれでいい。
研究者に大切なのは、「とがった人」がどれだけ生まれるかだ。
~大隅良典氏 2016年 ノーベル生理学・医学賞~
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この文面から「自分を超えるくらいの人がもっと出てきてほしい」という大隅さんの気持ちが垣間見えます。
また、「従来の考え方ではなく、別の考えを持った人がたくさん生まれ、新たな物を作り出してほしい」・・・。
そんな願いも読み取れるのです。
~僕たちの手で~
今、僕らが住んでいる世界はとても豊かで、快適な生活が出来ています。
(戦国時代ならお殿様以上の生活でしょうか・・・)
例えば、車や飛行機、電車などの乗り物を使えば、世界中どこだって行ける。
電話やメール、SNSなどを使えば、すぐに気持ちや言葉を伝えることも出来る。
だけど、そんな便利で快適な世界は、全て過去の人々が作り出したものです。
もっと言えば、それらは先人達から与えられたもの。
その時代に生きた人達が「今ある物をより良くしよう」と命を削り、努力した結晶です。
そんな思いを考えると、僕らは今あるものをもっと良いものにして、次の世代に受け渡さないといけない・・・。
~学び終えたらゴールじゃない~
僕は、多くの学問(統計学や心理学、陰陽五行論、個性心理学、傾聴力など)を学んでいます。
だけど、習ったことをそのまま使うのでは、「劣化コピー」と一緒です。
だからこそ、「学んだものに新しい付加価値を付け加えて発信しなくてはいけない!」と思っています。
指導した先生や学んだ学問、過去の偉大な先人達の知識さえも超えて、新たな物を作り出す。
もっといえば、誰も知らない知識を求探し、今あるものより良いものを作りだす。
このことはとても大変なことだし、仮に見つけたとしても、今の自分では取り扱えないものかもしれない。
だけど、新しく見つけた物に希望を見出し、それを次世代が使えるようにする。
それこそが先人たちの思いに答える事なんじゃないかな・・・。
その道筋をつくることが、今、学んでいる人の務めじゃないのかな・・・。そう思うんです。
だからこそ僕らは、もっともっと青くならなくちゃ!藍よりも青くね。
それこそが学んだものの「大切な務め」だと僕は思うから。