先生の往診が終了して、クラークも水薬のおかげか神経も少し安定してきました。先生の事も少し信用していましたから、先生の病院に一週間に一度でも通おうと熱心に説得しました。

精神病院で無いのは理解できましたから、先生の病院には行くと言いました。

閉じこもってから2年が過ぎましたから、自分で治そうにも治らない事に限界を感じたのだと思います。

治らない原因は思い込みでした。いつか仕事で狭い車の後部座席に座った時に、気が狂いそうになって心臓がバクバクして眩暈がしたのだそうです。その時に胃を押し付けたから神経が押さえつけられてこんなになったと言うのです。そうして背中を伸ばさなければ病気になると言い出して、狭いところや長い時間同じ格好をしていると病気になると思いこんだのです。


そうして一日家で背中を伸ばす運動をし始めました。この思い込みは自分の病気を正当化するお守りだったのです。では病気で何日も入院して体を動かせなかった人はパニック障害になるのでしょうか?飛行機で遠くに行く人はパニック障害になるのでしょうか?車いすに座っている人はパニック障害になるのでしょうか?これはクラークの間違った思い込みでした。でも毎日運動すると言う事は自分の解釈に元づいて治したいと言う思いがあったのだと思いますが、それは治したいのに治らないともっと自分の暗示に深く落ちて行って、ストレスでもっと症状が悪くなるのです。間違った考えを捨てないと治りません。


先生の病院にやっと行く事が出来たのですが、このころクラークは感情の起伏が激しくて、先生が落ち着くように何か注射をされました。これで感情が落ち着きますとの事でした。

そうして注射を何回かうってもらった頃外出から帰るとクラークが

クラーク「遅かったな、どうしてたんや?」お酒も飲んでないのにろれつが回ってない!

テーブルに座っていたクラークが玄関のロイスに向かって声をかけてくれたのですが、首が動いていなかったのです。先生の注射は、感情どころか体の筋肉さえも動かなくなるような注射だったのです。これでは考える事も出来ない自分で体を動かすことも出きないお人形のようです。


先生には申し訳なかったのですが、これではクラークは自分を取り戻せないと思い、先生の病院に通うのは止めました。これは違うと思いました。そうして毎日毎日クラークの話をなるだけ聞いてあげました。ある時クラークが遺書を書いているのを発見しました。2年以上閉じこもっていましたし、いくら自分で努力しても一向に治らないし、自分でも嫌になったのだろうと思います。それからロイスがいない間に自殺しないかとっても心配になりました。先生の注射を受けなくなってからクラークはもとに戻って来ました。ホッとしました。


それから閉じこもり3年ぐらいたった時、ロイスも疲れていたのかもしれませんが、どうも家で変なことが起こり始めたのです。本当に怖い怖い事が起こったのです。次回にまとめて書こうと思います。