【地方が消える、日本が消える】

 我が国の人口減少が止まらない。厚労省の速報値によると昨年(2021年)1年間の出生数は84万2897人だった。一昨年からは2万9786人の減少。一方、死者数は6万7745人増の145万2289人である。出生数の100万人割れは2016年のことだ。僅か5年で20万人近くも減らしたことになる。しかも、これとて序章に過ぎない。増え続ける死者数に反して、出生数も、50万、40万人と加速度的に縮小する傾向にある。このままなら、この先は、どうなってしまうのだろうか。

〈減り続ける日本の人口〉
(ネットより引用)

 現在、最多層は団塊世代だ。この世代には1947年(昭和22年)生まれが267万8792人、1948年(昭和23年)が268万1624人、1949年(昭和24年)が269万6638人と、この3年間だけで(出生数805万人×歩留まり94%=)約750万人が存在する。だがこれらも不老不死ではない。何れは欠落する。考えて頂きたい。年間死者数250万人―出生数50万人=200万人が如何に恐ろしいかを。

 最悪、200万人(年間)のマイナスなら、この国の命運はあと50数年で尽きる。あくまで数字の綾であり、こうはならないとしても、底辺が小さくなれば同じことだ。5千万人なら100万人で、3千万人なら60万人の減少で、この50年後には消滅の危機に直面してしまう。現在の(合計特殊)出生率は一世代から二世代での半減を意味する。2060年の総人口が5千万人なら、22世紀初頭には、もう国としての体をなさない。そう、この地球から日本国そのものが消え失せてしまうのだ。

〈急減は婚姻数にも〉
(2月26日付け紙面記事より)

 婚姻数も大きく低下。コロナの影響だけではない。未婚率までが急上昇している。現在、男性の4人に一人、女性の5人に一人とされる生涯未婚率も、あと十年もすれば3人に一人が現実味を帯びる。急速な人口減少の只中にあって、さらなる加速要因が忍び寄るのだ。置換水準も理想(2.08)に程遠い数値からして一世代から二世代後の出生数は50万人どころではない。ニ割減で40万人、最悪なら30万人まで想定せねばならない。これで、どうして、この国を存続出来ようか。

〈生涯未婚率の推移〉
(総務省/国勢調査データより)

 しかも、この数年は、若者の海外流出までが増える傾向にある。30年以上に渡って後退する日本の将来に期待が持てないのだろう。出稼ぎではない。完全移住なのだ。これでは「不足する労働力は海外から」とする政府の目論見も無惨に潰える。何せ、若者の目指す先は欧米ではない。これまでなら、就労目的で数多くが来日していた中国であり、ASEAN諸国なのだから。

 激減する出生数。婚姻数も減るばかり。生涯未婚率までが過半数に届きそうな勢いにある悲しき日本の未来構造。若者が逃げ出してしまえば、もう後はない。果たして、あと何年、国としての体裁を保っていられるだろうか。

〈集住の現状を伝える記事〉
(1月8日付けより)

 近頃は『集住』が話題になる。もう地方は維持出来ない。老朽化したインフラの維持管理には莫大な費用を覚悟せねばならない。過疎地にまで対応していたのでは財政が破綻してしまう。災害にでも遭えば、もう収拾が付かない。そこで機能不全になる前に限界集落そのものを放棄してしまおうというのだ。しかし、こうした問題も・・。

〈今や人口減少は全国に及ぶ〉
(総務省/国勢調査より)

 限界集落は郡部だけではない。いつ都道府県単位に拡大しても不思議ではない。既に、東北・北海道、四国、九州、山陰地方は、この予備軍なのだ。このままでは、いずれ『放棄止むやし』の時代が否応なしにやってくる。そして『集団移住=集住』は日本列島の全域に及ぶ。当面は、これで凌げるかも知れない。でも集住の地が大規模災害にでも見舞われたらどうなるだろう。その先は言うまでもない。

□□■■□□■■□□■■□□

《《《駄馬な駄話》》》

「小さく 小さく ······ な〜れ」

〈日本の未来〉
(手前は、コメ粒とゴマ粒)

「ウマ(馬)くゴマ(胡麻)かしてみても、あの日にカエル(蛙)なんて、もう無理っチュウ(鼠)ことかいな」

「😩・・・・」