ニュージーランド沖で強い地震が相次いでいる。この(3月)5日にはケルマデック諸島付近を震源にM8.0の地震があった。こうした巨大地震(M8超)は2018年8月にフィジー近海であって以来である。この海域では4日から5日にかけても、M7.3、M7.4と連続して発生しており、これで「収すまるか否か」といったところか。

(ケルマデック諸島付近で発生の巨大地震)
(3月5日)

 覚えているだろうか。今から10年前(2011年の2月22日)ニュージーランド南島に位置するカンタベリー地方を大地震が襲った。滞在していた日本人の若者28人が犠牲になっていることからも思い出して頂けると思う。甚大な被害を招いた東日本大震災はこの3週間後であった。

(日本人が多数犠牲のカンタベリー地震)
(2011年2月22日、ネットより引用)

 今年だって同じだ。2月10日、ニュージーランド北方に位置するローヤリティー諸島付近でM7.7の大地震があるや、その3日後(2月13日)には福島県沖を震源にM7.1の地震が発生。宮城県では最大震度6強を観測している。これが何を意味するだろうか。

(ローヤリティー諸島付近で発生の大地震)
(2月10日)

 地震は伝播する。それも大きくなるほど地球規模であることが分かる。地球儀があれば確認して頂きたい。ニュージーランドから日本列島の距離は約1万km(地球外周の1/4)であることにお気付きかと思う。

 これだけではない。2016年には熊本地震が発生。大きな被害が出たことは記憶に新しい。この年代はイタリアでも歴史に残る大きな被害地震が頻繁していた。ならば日本列島とイタリアの距離はどうなのか。これもまた約1万kmなのである。

《参考/イタリアで発生の地震》

☆2009年4月、イタリア中部・ラクイラ地震
(M6.3、建物倒壊多数、死者308人)
☆2016年8月、イタリア中部地震
(M6.2、建物倒壊多数、死者296人)
※〈この間も、M5~6での被害地震が頻発〉

 地球という星は宇宙空間に漂う極めて不安定な浮遊球体といえる。そこで地球外周の4分の1、即ち、約1万kmを複数(2~4)回伝播させることで地軸の安定を保つのではないか。科学的見地には乏しいものの、一つの領域でのみ大地震が続くなら、とてもバランスは保てまい。

 だからこそ、この地球には(巨)大地震の巣が等距離に並ぶ。そして安定を図る。数年来、ニュージーランドやイタリアで多発する地震が巨大でなくとも、2010年のチリ・マウレ地震や2011年の東日本大震災を起点とした伝播とすれば、地球規模の波動として十分に説明がつく。

 では、この先は一体、何処に伝播するのか。ニュージーランドから1万kmの彼方を探ってみよう。日本列島だけではない。南米・チリ(沖)、スマトラ島近海といった地点も等しく該当するのだ。チリでは2010年にM8.8に達する巨大地震(マウレ地震)が、インドネシアでも2004年にはスマトラ沖を震源にM9.3とされる超巨大地震(スマトラ島沖地震)が発生している。これが何を物語るだろう。

 これらは何れも世界有数の地震多発地帯だ。偶然の一致かも知れない。直ぐなのか、一年後なのか、十年後なのかといったタイムラグはあるものの一定の確率に疑う余地はない。これを安全とみるか、危険と捉えるか、どちらだろうか。但し、三分の一は限りなく大きい。大地震は「来ないと思って来る」より「来ると思って来ない」に越したことはない。過度な情報も時として役に立つもの。東日本大震災から10年。何れにせよ「備えあれば・・」に優る防災はないということか。

◇◇◇◇◇◇◇◇

(追記)

(エイヤフィヤトラヨークトルの噴火)
(2010年の噴火/ネットより引用)

 アイスランドでも地震が相次いでいる。小さなものを含めれば先月以降だけでも2万回を超えるという。火山性地震ではあるが、2010年の(エイヤフィヤトラヨークトル)噴火では欧州全域に影響が及び航空運行のみならず経済活動にも大きな支障が出たことは記憶に新しい。因みに、日本列島とアイスランドの距離も約1万kmの範疇であり、東日本大震災はこの翌年であることもお忘れなく。念のため・・。