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 その昔、人々はカラスを見て災いを予知していました。カラスもまた人々を観察することで災いを予知していました。

 カァー、カァー。ある朝のことです。カラスがす生ごみを漁っていました。人々は生ごみを食い散らかすカラスが憎くてなりません。なにか撃退方法はないだろうか? と考えた末、生ごみ全体をネットで被うことにしたのです。

 ご馳走を取り上げられてしまったカラス、「こりゃたまらん!」とばかりに頭に血が上って、カッ、カッ、カァー。


 これを見た人々は、「おやっ、カラスが騒いでいるぞ、、」と、なにやら胸騒ぎを覚えたらしく、ざわめき始めたではありませんか。

 地上のざわめきはカラスにも動揺を与えました。「ありゃりゃ、人間どもが騒いでいるぞ」「きっと災いの前触れに違いない」と、声を枯らして、ガーガーガー。


 木枯らしの吹き荒れる冬の夕暮れ時のことです。ご馳走を取り上げられてしまったカラスは、空腹に凍てつく寒さも加わり、もう我慢も限界に達していました。そして、「ご馳走返せ!」とばかりに、ガッガッガッ。

 カラスの異変に気づいた人々も、さあ大変。「カラスが大騒ぎをしているぞ」「きっと大きな災いの前兆に違いない」と、てんやわんやの大混乱なのです。

 もっと大変なのはカラスでした。なにせ、こんな大混乱は、今だかつて見たことがありません。「たったっ大変だ! 人間どもが大騒ぎを始めたぞ」「こりゃ~大きな災いが迫っているに違いない」と、それはもう天と地がひっくり返らんばかりに鳴き叫んで、ギャーギャーギャー。


 こうして大空は狂乱状態のカラスの群れで溢れかえりました。

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↑(ん! 烏のマークじゃないって?? )

 偶然なのか、そうでないのか、こうした真っ只中にあって💢💢ドドド~ン💢💢 

 しばらくすると、案の定、天と地はひっくり返ってしまったらしく、そこは生ごみを漁る人々で溢れていました。カラスは生ごみを漁る人間が憎くてなりません。なにか撃退方法は? と悩んだ末、生ごみ全体をネットで被うことにしたのです。

イメージ 1

 連日、人間防御ネットの取り付け作業に明け暮れたカラスは、日焼けで体の髄まで真っ黒になってしまったそうな。

 「・・カア??」

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《《登場人物、いや登場烏物は→》》
 (→折り紙でした)

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 カラスは今一番の厄介ものだが分類上は益鳥に属するという。では、いつから嫌われ者の代表格になったのだろうか。

 「権兵衛が種まきゃカラスがほじくる」も、無駄な努力を意味することわざであり、カラスを敵視したものではない。害虫を駆除し稲穂を食い荒らす雀を追い払うことからも導きの神として(注)信仰の対象にすらなっているのだ。

 (注)日本神話によると、八咫烏は神武天皇を大和・橿原まで案内したとされ、今でも多くの神社では太陽(神)の化身であり、神の使いであるとして崇め奉られている。

 野口雨情・・からす、なぜなくの音符

 海沼実・・からすの赤ちゃん音符音符

 童謡や童話でもカラスほど頻繁に登場する動物はいない。それも殆どは子供達の仲間として描かれている。もし生ゴミが出なかったら、、もしカラスが真っ白だったら、、どんな位置付けになっていただろうか。

*〈以上はヤフーブログからの再掲載です〉

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《余談/歴史は繰り返すか》

 新型コロナの拡大が止まらない。医療対応の優等生とされたドイツでさえ急増である。1日当たりの死者数は、これ迄の数十人から急拡大し、遂に500人を超えた。これはインフルエンザの年間死者数を僅か数日で上回ってしまうことになる。スペイン風邪の犠牲者は、秋から冬の第2波によって、それまでの10倍にも達したそうだ。歴史は繰り返すのだろうか。

〈〈加えて、もうひとつの懸念も〉〉

 偶然なのか必然なのか疫病と自然災害は時期を同じくすることが多い。1918年から1919年にかけ猛威を振るって全世界的に大流行したH1N1亜型インフルエンザでは、1923年関東大震災、1929年の大恐慌、そして世界大戦へと結び付いてゆく。

 1858年(安政5年)にはコレラが蔓延するや、1862年(文久2年)にも麻疹が大流行し、江戸だけでも合わせて30万人が犠牲になった。又、1854年の南海、東海、1855年には安政江戸と(巨)大地震が相次いだことから、江戸幕府の崩壊も、これらが遠因であるとの見方が有力視されている。

(因みに、500年前(1520年)には天然痘によって全世界で5600万人が亡くなっているが、この時期にも永正地震が発生。戦国時代であることから詳細は不明ながら、ここでも大きな被害があったと記されている)

 これは日本だけではない。長い歴史を紐解いてさえ世界的にも同じなのだ。今まさに暗黒の過去の再来を彷彿させる只中にある。2011年には東日本大震災が発生している。各地(各国)に忍び寄る鳥インフルエンザだって、いつHINI(スペイン風邪)に変異しないとも限らない。幾多の事象が次なる鬼哭の始まりでなければ良いが・・。