《一部、前回から重複》

 各国で進む新型コロナウイルスのワクチン開発競争。米国では来月中旬にも摂取開始の見込みから株価は急騰、ついに史上最高値を更新してしまった。だが不思議なことも。先行したのは米国だけではない。中国やロシアでも完成を報じているが、こちらの方は一切認めない。西側の報道を信じる限り、あくまで「粗悪品」なのだ。

(中国の新型コロナワクチン)
(ネットより引用)

 かつて似たケースがあった。テレビや映像機器と、メード・イン・ジャパンが先行するや、これも受け入れ難い「粗悪(阻害)品」だった。理不尽な輸入規制のみならず各地で激しい不買運動が繰り広げられた続いて韓国製が、そして今ではファーウェイにTikTokと中国企業が標的である。

 コロナワクチンの世界市場は70兆とも100兆円ともいわれる。莫大な開発資金をつぎ込んでいる。後追いは許されないのだろう。ライバルは如何なる手を使ってでも振り落とさねばならないのだ。

 そもそもロシアは旧ソ連時代からウイルスの研究が盛んだ。細菌兵器には、セットでワクチンの開発が不可欠である。中国に至っては1日の長がある。何せ(コロナの)発生源は武漢ではないか。開発は時間との勝負だ。材料が豊富だけに、どこよりも有利だといっても過言ではあるまい。インフルエンザ・ワクチンだって完全には程遠い。冷静にみて、どちらも平等に、まだまだ「粗悪品」だと思うが・・。

 このコロナワクチン、どうやら医薬品よりも戦略物質としての色合いが強い。覇権争いを優位に進めたいとする意図が透けて見える。中国は、トルコ、インドネシアにブラジルと、支給(治験)を開始。日本も欧米大手に発注済みであるが、となるといつになるやら。各メーカー共に本国を優先する。オリンピックまで(の摂取)を目論む国の方針通りになったとしよう。一斉開始は早くとも3月以降だ。その前に感染列島にならない保証はない。すると真っ先に影響が及ぶのは高齢者世帯なのだ。

 今年は高齢者(世帯)にとっては受難の年であった。重症化率が高いだけではない。施設にクラスターが発生すれば、その都度帰宅を余儀なくされ、通所型でも在宅での介護に切り替えねばならない。人手のある家庭はまだいい。多くは休職するか辞めざるを得ない状況にまで追い込まれている。この先はどうなってしまうのだろうか。

 マスク不足に始まり、それが解消されるにつれ、今度はその不法投棄が社会問題に。だがこれだけでは終わらない。在宅が増えれば、あの任務も負わねばならない。そう下の世話のことだ。

 介護保険制度における要介護又は要支援の認定者数は2015年度末で606.8万人である。2003年度末の370.4万人からは236.4万人の増加。現在は、急増する高齢者数からして、800万人は下らないものと推測される。この先、団塊世代が加わるなら、あと数年で全人口の1割(約1200万人)に達するだろう。

(要介護別、認定者数の推移)
(厚労省データより)

 日本衛生材料工業連合会によると、乳幼児と大人用を合わせた昨年(2019年)の国内生産量は229億枚で、2011年に比べて6割の増加とか。うち大人用だけで86億枚(5割)もの急伸である。一方、心配なのは処分の問題だが、環境省では、一般廃棄物に占めるおむつの割合が2015年の4%から2030年には7%まで拡大するとしている。

(ネットより引用)

 でも実際はどうだろうか。コロナ渦による高齢者介護の在宅回帰までは見越していない。事業者ではなく家庭から排出されることで何が起こるのか。事業ゴミではない。家庭用(生=燃える)ゴミとして排出されるのだ。今現在の4%も平均値である。高齢者率の高い旧市街地や地方ならこの比ではあるまい。その量が如何に凄いことか。介護経験者ならお分かりかと思う。

 絞った上での袋詰めなど不可能に近いことから重さも含めてその量たるや尋常ではない。今でも収集車は屎尿運搬車の様相にあるのに、これより増えたらどうなってしまうのか。恐らく新たな分別を強いられることになるだろう。それでも専用の(屎尿)収集車なんて存在しない以上、大混乱に陥るのではなかろうか。

※(現在、水溶性にしてトイレに流す方式と、リサイクルが検討されているが、前者は量、後者は工程と、まだまだ解決すべき課題は多い)

 202〇年、あの忌まわしい新型コロナは終息したものの介護制度は全く機能しない。介護士は集まらない。いても、その高いスキルを買われ、多くは海外へ出ていってしまった。欧米や中国のみならず東南アジアであれ日本の2倍以上の報酬が約束されるのだ。国内には高齢者だけが取り残された。老々介護が出来るうちはまだいい。誰もが自己責任を強いられることになる。そして街中は至るところ棄てられた〇〇〇で溢れてゆく。

 まあ、こうはならないにせよ、あながち作り話で済まないところが恐ろしい。人口構成からも若者が枯渇するのは紛れもない事実なのだ。しかも、失業者で溢れた時代ですら介護職だけは敬遠されて不足著しかったのに、どうして○○処理(運搬)業に就こうか。この日本が、マスクのポイ棄てに続いて、芳香漂う廃おむつ列島にならないことを願うばかりだ。