民間調査会社のブランド総合研究所による「都道府県魅力度ランキング2020年版」が、この14日に発表された。特筆すべきは7年連続して最下位にあった茨城県が不動の地位を明け渡したことか。今年は42位に上昇。代わって栄誉?に輝いたのは我が栃木県である。

(魅力度ランキング、ワースト10)
(ダイヤモンドより)

 上昇とはいえ茨城県の認知度はまだまだ低い。圏外在住では場所さえ知らない者も数多くいる。「いばらき」も大阪府の茨木市にその名を明け渡し、あくまで「いばらぎ」でしかない。民力では全ての数値で上位にランクインするのに、どうしてここまで低いのだろうか。

 理由は多々あれど、やはり(県名の)露出度の低さではなかろうか。なにせ「いばらき」が出てこない。代表する黄門様は「水戸」であり、日本3大名園に数えられる名所も“水戸”偕楽園で、茨城の冠がない。名産の納豆だって“水戸”を売りにする。筑波山の麓に位置して科学技術を牽引する研究学園都市は“つくば”で、臨海工業地帯は“鹿嶋”だ。茨城県発祥の世界的企業まで、IBARAKIではなく、HITACHI(日立製作所)を社名としている。四季折々の花で人気沸騰の国立海浜公園だって頭文字は“ひたち”なのだ。唯一、茨城の付く国立・茨城大学も、いばらきではなく通称「茨大=イバダイ」である。

《水戸駅北口》
(〇〇の黄門様も〇〇納豆も「水戸」であって茨城ではない)

 あまり知られていないが茨城県は日本を代表するスポーツ王国でもある。夏季五輪の金メダリスト7人は全国で2番目に多い。人口比では突出している。だからスポーツも盛んだ。サッカーにはJリーグ屈指の人気を誇るアントラーズがあり、J2にはホーリーホックもある。だが、いかんせん県名が入らない。頭文字は“鹿嶋”であり“水戸”でしかない。高校野球も盛んだが、県名の入った学校の甲子園組は茨城東高校のみ(水戸商の前身は除く)でしばらく出ていない。これでは「茨城って大阪やんけ」と言われても仕方あるまい。

 魅力度アップには、先ず知名度を上げねばならない。栃木県では日光県への改名が取り沙汰されている。茨城県も知名度抜群の水戸県にするのも手だが、そう簡単にはいくまい。ならば県都の名称を変えてみてはどうだろうか。県庁所在地を移せ、というのではない。水戸の二文字は十分にブランド化している。水戸市そのものを改名したところで何ら影響はあるまい。それなら『いばらき市』なんて如何だろうか。政令指定都市にして『いばらき市・水戸区』に生まれ変わるということだ。

 茨城県の人口は、2,855,913人(2020年8月1日現在/住民基本台帳)と全国で11番目に多い。300万人近い人口を抱えて政令指定都市を有しない自治体は茨城県を於いて他にない。有識者は水戸市の人口(269.340人)からして否定的だが、そんなことはない。多過ぎる市町村を統合する意味でも格好の機会ではなかろうか。

 水戸市周辺には、ひたちなか市(154.714人)、茨城町(31.539人)、東海村(37.649人)といった市町村が衛星都市を形成し、人口集積率は極めて高い。しかも水戸市の面積(217.32平方キロ)は地方中核都市の中でもかなり狭い。静岡市や浜松市と面積を同じくするなら、日立市や笠間市をも含み、すぐにも100万都市の誕生を約束している。いばらき市/水戸区、日立区、ひたちなか区、笠間区、、といった具合だ。

 茨城県は知らない。だが政令指定都市なら知らない者はいない。茨城県出身者に故郷を問えば、多くは水戸や日立、土浦と答える。近頃では、つくばや鹿嶋も増えた。やはり、知名度の低さがネックなのか、そうでないのか、「いばらき」と答える割合は至って少ない。朝ドラの“奥茨城”効果も限定的だったらしい。

 余談だが、かつて愚生も奥茨城? に住んでいた。関西では、この「茨城」も、なかなか通じない。「自分、いばらき(大阪府.茨木市)ってほんまかいな?」「話し方がまるでちゃうで」と笑いのネタにされてしまう。県内でもローカルな笠間の方が知られているから不思議だった。

 埼玉県では政令指定都市への移行過程で県都の名称を変えた。浦和市は「さいたま市・浦和区」になった。そして、埼玉西武ライオンズに加えて、埼玉スタジアム、さいたまスーパーアリーナといった大型施設を次々と誕生させ、頭文字に“さいたま”を溢れさせた。結果、県名の認知度向上に改名が大きく貢献する。もう魅力(認知)度で最下位を争った面影はない。ダ埼玉は、川口や浦和と、「住みたい街ランキング」で吉祥寺や横浜をも凌ぐ彩の国へと変貌した。

 やはり認知させ、魅力度を向上させるには、県都との一体化に勝るものはあるまい。これは茨城のみならず栃木や群馬にも同じことが言えよう。いずれの県庁所在地も水戸、宇都宮、前橋と県名が入らない。でも、最下位を勲章に売りとするなら、大きなお世話といったところか。

 因みに、晴れて天下を取った栃木県だが、こちらもぱっとしない。日光や那須はあっても栃木県は知らない。餃子も宇都宮で、人気のバスケ(栃木ブレックス)は宇都宮ブレックスに名を変えてしまった。日光県への改名案だけでなく、「県庁を栃木市に移せ」といった意見もないではないが、これとてインパクトに乏しい。この際、北関東三県を一つにして、「ごじゃっぺ共和国」なんて如何だろうか。ん?? だったら埼玉県も加わりたいって・・🤮。

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《正しい日本語口座》


「ごじゃっぺって何だべ」

「ごじゃっぺって標準語だっぺな」

「そりゃ~ごじゃっぺだわ」

「カァ~??」