コロナ騒動も一段落と思いきや、そうでもない。中・南米を中心に猛威を振るい続ける。ブラジルでの死者は5万人に迫った。これでも、隠蔽は数知れず、不審死はこの数倍というから実態たるや如何許りか。
こうした中、世界各地で経済活動を再開させる動きにある。崩壊寸前の社会を立て直すにはもう待ったなしなのだろう。製造や販売、サービスのみならず、スポーツから観光の分野にまで及ぶ。万全な対策を講じるとはいうものの、まだコロナの真っ只中にある。100年前に蔓延したスペイン風邪では翌シーズンの第2波によって死者数も10倍に跳ね上がった。これで本当に大丈夫なのだろうか。
日本だって例外ではない。緊急事態宣言は解除されても実際はどうなのか。額面(数字)通りに受け取って良いものか否か。夏場になれば落ち着くはずが、まだ不安定な状況にある。酷暑の、中・南米で増え続けることからも、どこか怪しい。このまま再爆発したら、一体、何が起きるのか。
この先、秋以降に備えて各国共に抗体検査を急ぐ。抗体の保有(陽性)率が今後を左右するからだ。一般的には60%が収束の目安とされる。結果は英国(ロンドン)で17%、米(ニューヨーク)で20%である。日本同様、厳しい規制をせず集団免疫を優先したスウェーデン(ストックホルム)は7.3%であった。これは、まだ多くの者が感染の危機に晒されていることを意味する。
意外なのは日本だ。厚生労働省は6月16日、3都府県で計7950人を対象に実施した新型コロナウイルスの抗体検査の結果を発表した。抗体陽性率は東京都で0.10%、大阪府で0.17%、宮城県で0.03%だった。PCR検査の少なさから、スウェーデン同様、日本も集団免疫を優先したのでは、と見られていた。それがこの数値である。誰もが15~20%を期待していたから衝撃だったのではなかろうか。これでは「無防備」に等しいのだ。
欧米と比べて我が国のコロナ死者数は極めて少ない。理由は色々と考えられるが、これらも根底から覆すことになる。感染者が少ないなら当然のことなのだ。18日現在の死亡者数は941人である。東京(0.1%)を基準にしてさえ、もし欧米並みの感染率(15%)なら(941×150で)約14万人が死亡していたことになる。集団免疫(60%)を前提とするなら(941×600で)57万人は覚悟せねばならない。これは前回のスペイン風邪(48万人)より遥かに多い。しかも医療崩壊を免れた第一波を基準にしてである。脆弱な日本の医療体制からすれば数百万人が犠牲になっても不思議ではあるまい。
だが、ここにも疑問は残る。どうして日本人の抗体保有率は、これ程までに低いのか、ということだ。要因の詮索はさておき実はもっと高かったとしよう。すると、感染者数との乖離著しく、PCR検査の少なさが改めて浮き彫りになってしまう。そこで、帳尻を合わせるためにも隠蔽と改竄が必要だった、なんてことはないのだろうか。今回のコロナ騒動、ことに検査体制には不可解な面も多いことから、疑念を抱くのは愚生だけだろうか。
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(東京都に於ける月別超過死亡者数)
因みに、東京でも超過死亡数の問題が出てきた。この数ヶ月、平均値より遥かに多い死者数が各国から報告されているが、東京も例外でなかったことになる。地方だって変わるまい。誤差の範囲なのか、コロナによる隠れ死亡なのか、どちらだろうか。4月に至っては11.7%も多い。5月は未集計ながら更に多いことも予想される。倍近い欧米よりは少しだけマシとはいえ困ったものだ。