今年も押し迫り地震活動も増える傾向にある。先月26日未明には、ヨーロッパ南部のアルバニアで、M6.4の地震があった。この地域で発生した地震としては2000年以降最大規模とされ、30人を超えた死者の他、倒壊した建物にはまだ多くが取り残されているものとみられている。
日本の場合はどうだろう。M5超では・・
◇11月22日、日向灘、M5.2、震度3
◇11が23日、北海道東方沖、M5.6、震度3
◇11月29日、三陸沖、M5.5、震度3
・・といった具合だが、瀬戸内や関東周辺と、これまで静かだった地域で動く傾向にある。月末から月初にかけては宮古島近海でM4クラスの地震が相次いであった。
今日から師走(12月)。だが、この“師走”って何だろうか。日本大百科全書によると、この月には家庭に師(僧侶)を迎えて読経などの仏事を行うため、師が東西に渡って忙しく走り回ることから、「師馳せ月」が「師走」になった、とする説が有力なようだ。
でも忙しいのは僧侶だけではない。ナマズだって忙しい。それも大ナマズだ。大きな地震は寒い季節に限って多い。ことに12月になると巨大地震も増える傾向にある。歴史に名を残す南海トラフ型の巨大地震だけを列記しても下記の如くである。
☆過去の巨大地震
★12月発生の南海トラフ型巨大地震
〈〈M8超のみ〉〉
☆684年11月26日、白鳳地震、M8.0~9.0
(東海と東南海地震が連動。土佐に津波襲来、田畑12平方キロが海没との説も)
☆887年08月22日、仁和地震、M8.0~8.5
(東海、東南海地震と連動か。五畿七道、京都で被害甚大)
★1096年12月11日、永長地震、M8.0~8.5
(東海地震だが、東南海、南海と連動した可能性大。駿河や伊勢にかけて甚大な被害)
☆1099年02月16日、康和地震、M8.0~8.5
(大和や摂津に被害。土佐では田畑水没の記録あり、津波も)
☆1361年07月26日、正平地震、M8.5
(摂津、阿波、土佐で被害顕著。東海、東南海地震と連動した可能性あり)
☆1498年09月11日、明応地震、M8.2~8.4
(東海、東南海に南海も連動? 紀伊から房総にかけて被災。津波で1万から2万人が犠牲に)
☆1605年02月03日、慶長地震、M7.9~8.0
(八丈島から浜名湖、紀伊、阿波、土佐にかけて津波被害。南海トラフ以外の説も)
☆1707年10月28日、宝永地震、M8.4~8.6
(東海、東南海、南海と連動した巨大地震。後に富士山が噴火する=宝永の大噴火)
★1854年12月24日、安政東海地震、M8.4
(東海、東南海地震。四国から房総に津波。三重では大津波で被害甚大)
★1854年12月25日、安政南海地震、M8.4
(九州東部から近畿一帯にかけて大きな揺れ。高知、和歌山で大津波、被害甚大)
★1944年12月07日、昭和東南海地震、M8.2
(紀伊半島で6~9mの津波。死者行方不明合わせて1223人の他、甚大な被害)
★1946年12月21日、昭和南海地震、M8.4
(九州から房総半島に津波。西日本中心に犠牲者1330人に及ぶ大きな被害)
このように、歴史に残る(南海トラフ型の)巨大地震は過去12回あるが、8回は11月下旬から2月にかけての冬場であり、12月の1ヶ月だけでも5回発生している。11月下旬の白鳳地震を加えれば半数が年末(師走)であることにお気付きだろうか。
南海トラフだけではない。1703年の元禄地震(12月31日、M8.1~8.5)がそうであるように、大きな地震ほど、なぜか年末にかけて増える傾向にある。偶然に越したことはないが、忙しい年の瀬にあって、大ナマズの動向にも注意を怠ることなかれ、といったところか‥。
◇以下、前回記事と一部重複◇
余談だが、仮名手本忠臣蔵にみる赤穂浪士の吉良邸討ち入りは、元禄15年12月14日(1703年1月30日)とされる。そして背景には必ず大雪だった様子が描かれている。真偽のほどはともかく(同日が)降雪だったことだけは確かなようだ。
大地震は、こうした「雪」にも深く関わる。「豪雪の年に多発する大地震」でも記したように、多雪年代には地震も多い。今冬は黒潮の大蛇行もあり、南岸低気圧の影響を受けやすく、太平洋側でも雪の日が多いと予測されている。
戻って、吉良邸討ち入りの1703年は、関東地方に甚大な被害を与えた『元禄地震』の年でもある。また、1854年の12月24日~25日にかけては(安政)東海地震と南海地震に次々と襲われている。Xマスの季節はサンタクロースだけではない。トナカイ(東・南海)に乗って大ナマズも訪れていることをお忘れなきよう。
◇◇◇◇◇◇◇
《初冬雑景》
〈紅葉が〉
(同、開成山公園)
〈でも、ネギを背負ってないのが残念!〉
(要拡大)
「お前たちも、ネギだけは絶対に背負っちゃいけませんよ」
「・・
??」






