熱波に苛まれる日本列島。最早、沖縄を除けば35度超え(猛暑日)は当たり前になった。この半世紀では約2度の上昇らしい。たかが2度も、されど2度、クーラーの普及もあって屋外での体感は尋常ではない。でも、どこまで暑いのだろうか。街頭インタビューに答える外国人の「日本(東京)の暑さは・・」って、どこまで信頼に値するだろうか。

 この夏も世界各地は異常気象の真っ只中にある。最高気温は止まることを知らず、パリで42.6℃、ニューデリーに至っては48℃に達した。これとて氷山の一角に過ぎない。アジアやアフリカのみならず欧米の主要都市でさえ軒並み40℃超えを観測している。こうした中、暑い暑いといわれる東京でさえ、ロンドン(今夏は36℃)などと並んで、これまで最高気温が40℃を超えたことがない数少ないアラフォー?都市でもあるのだ。

 猛暑到来では、ニュースやワイドショーの中で、「東京は暑いですか」と尋ねるコーナーが度々登場する。それも外国人旅行客に限定して、「経験したことのない暑さ」や「外出が怖い」といった返答を引き出し、そして「この中でオリンピックなんてクレージーだ」に結び付けてゆく。

 でも、ちょっと待って欲しい。知る限り、「日本の暑さはクレージー」と嘆く外国人は一人たりともいない。「暑い」とは言っても、「夏はどこだって暑いよ」が定番であり、あまり気にしている様子はない。それより「本国の暑さに比べれば天国さ」の方が圧倒的に多い。

 重複するが、今や北欧であれ40℃は珍しくない。アメリカでも内陸だけではない。ニューヨークはおろか、ロサンゼルスでさえ昨年(8月)には45℃まで上昇し深刻な山林火災まで引き起こしている。いずれも、オリンピック開催都市か、これから開催しようとしている都市ばかりなのだ。

 確かに東京は暑い。それも蒸し暑い。でも、どうして「東京は“暑さも世界一”でないと困る」のだろうか。諸外国の猛烈な暑さを棚に上げ、一部の意見を総意であるように編集して、東京の暑さが世界屈指であるか如くに誘導している。アスリートへの配慮からか、暑さ対策の予算増額を期待してのことか、それとも・・。

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《参考/過去記事》

〈本当に東京五輪は暑いのか(1)〉
 |https://ameblo.jp/rohitigu/entry-12478047238.html

〈本当に東京五輪は暑いのか(2)〉
 |https://ameblo.jp/rohitigu/entry-12478047674.html

〈本当に東京五輪は暑いのか(3)〉
 |https://ameblo.jp/rohitigu/entry-12478048155.html

 8月に入るや、甲子園にインターハイと、各競技は一斉に佳境を迎える。暑さも、オリンピックだけを取り上げ、高校野球、ことに全国高校総体の陸上といった屋外競技に関しては一切問題視しない。屋根付き(屋内含む)やナイターがメインの五輪と違って、こちらは全て炎天下だ。夏の大会は廃止しようとか、秋の国体に集約しようとか、それもない。暑さ対策が論議されるのは、いつだってトップアスリートばかり。こちらの方はどうでもいいのだろうか。

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 《余談》

 (立秋前後の空模様)

 (8月5日)
 (上野公園)

 (8月9日)
 (宇都宮市内)

 暑い暑いと言いながらも空模様だけは少しずつ変わりつつある。このところ早朝から出ていた積乱雲も今日はない。高層雲に覆われた空は、あたかも秋のようだ。雲の一部(要拡大)からは波状紋様まで見て取れる。嵐の前の静けさ、でなければ何よりだが・・。