韓国では、昨年の夏から、学校(小中高)内でのコーヒーの販売(摂取)を全面的に禁止したそうだ。理由は、誤った眠気防止に対する認識や、それによる健康障害を案じてのことらしい。正誤の程はともかく、薬効と害毒、どちらが正しいのだろうか。


 最近は医療や健康に関する番組でがやたらと多い。健康志向の現れだろうが、どこまで信頼に値するだろうか。よもや逆効果であることはないのだろうか。


 「食事は野菜から」や「バナナダイエット」など、次々と登場する健康法は枚挙にいとまがない。でも、ここにも落とし穴はある。


 確かに、前菜によって総量が抑えられるなら、血糖値の抑制やダイエットにも効果はあるだろう。だが実際には前菜神話に浸り、それまでの食習慣を変えない者が多い。野菜だってカロリーゼロではない。ことに最近の野菜は栄養価が高い。従前の食事を続けるなら、この野菜のカロリーが加算され、より高血糖に、より肥満にもなるということだ。


 コーヒーは更に根が深い。コーヒーメーカーや、その委託を受けた医師からは、コーヒーが血糖値の上昇を抑えることから、一日4杯程度の飲用を推奨するケースが良く見られる。


 コーヒーによる糖質抑制効果は学術的にも認められている。だが、それも健常者に対する効果だ。糖尿病を“予防”するといった意味での効用に他ならない。あたかも糖尿病患者にまで効果絶大である如く報道(番組)の盲信は危険(病状悪化)の裏返でもあるのだ。


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《糖尿病を専門とする医療機関の見解》

(以下は原文のまま引用)


 コーヒーの2型糖尿病予防の効果は、世界各国から相次いで報告されていますが、これは糖尿病をまだ発症していない人に限った話です。糖尿病患者へのコーヒーの影響は、はっきりしたことがまだわかっていませんが、コーヒーに含まれるカフェインがインスリン感受性に悪影響を及ぼしたとする研究結果も報告されています。


 この研究によると、コーヒーと炭水化物を同時に摂取した場合のインスリン感受性は、カフェインの含まれない飲料とほぼ同等でしたが、その後またすぐに同じものを摂取させて計測した場合は、インスリンの感受性が低下したとの結果が出たそうです。


 つまり、まとめると下記のような内容になります。


 コーヒーと炭水化物を一緒に摂取した場合、インスリンの感受性はある程度低下する。


 その影響が続くため、すぐに同じよう内容の食事(カフェイン+炭水化物)をした場合は、インスリンの感受性は大きく低下する。


 結果、「耐糖能やインスリン感受性が問題になる病態(たとえば、糖尿病やその予備軍の人)は、「食後に単純炭水化物(甘いケーキなど)とカフェイン入りのコーヒーを一緒に摂取するのは、好ましくないかもしれない」と考えられています。


 糖尿病を発症している方は、コーヒー(カフェイン)の摂取には注意が必要かもしれません。


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 このように、コーヒーは糖尿病の予防にはなっても改善にはならない。だが報道とは不思議なもので、商業(売らんかな)主義に支配され、こうした事実は表に出ない。結果として病状がより重篤になってゆく。情報を信じる限り健康も「自己責任」ということだろうか。


 因みに、コーヒーとはいえ、一国の経済をも左右する巨大産業である。日本だけでも2兆9千億円(末端消費額)に達する。緑茶が5千億未満であることから、その大きさが分かる。雇用の上でも、或いは政治献金の上でも、各国共に大きな役割を果たしていることだろう。だから“阻害要因は公表しない”なんてことはないと思うが・・。


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《折り紙》🐒

 「情報も一貫性がないと困るのう。何が正しく何が間違っちょるのか全く分からん。少しは反省してもらわんと」

 〈〈反省!!〉〉

 「何でオイラが反省するわけ?」

 「たまには登場せんと忘れられてしまうじゃろ」

 「・・・・」